赤福の「さじ」、1年以上前に木製→紙製に 担当者も感じる「風情」不足...それでも変更決めた理由

2025年4月11日(金)13時34分 J-CASTニュース

伊勢の名菓「赤福」。箱の中に並んだ赤福を付属の木の「さじ」で切り分けて食べるイメージを持つ人も多いだろう。しかし、そのさじが木製ではなく「紙製」になっているとして、SNSで話題になっている。

赤福の広報によると、2023年12月30日販売分からさじを紙製に変更した。購入者から「木製の風合いが好きだった」との声が寄せられたほか、担当者自身も「風情が若干欠けてしまう」と感じると話す。では、変更にいたった理由は何なのだろうか。

「あの木ヘラがええんよ」...惜しむ声も続々

「赤福のヘラが紙製になってるのショックすぎる」

25年4月6日、赤福の上に白いヘラ(さじ)が乗った写真とともに、このようなポストがXに投稿された。なお、赤福公式サイトには「さじ」と記載されており、さじが正式名称となる。

投稿したXユーザーのマサキサンチームさんは、紙製のさじについて「普通に食べにくいし切りにくいしもはや全く異なる食体験になってしまった」と感想を明かした。続けて、取り分ける用途としては「かなり分厚い牛乳パック的材質なので硬さは無問題、一方で縁のフィレットが甘いので剥がしにくさに拍車がかかった印象」、カトラリーとしては「手触りや重みの違いが木ベラと紙製で食べる味わいに影響を与える可能性がないとは言い切れず、木の香りの有無が影響する可能性もある」とその使いやすさについて言及した。

一方、「美味しいことには違いないのでこれからも赤福は買い続けますよ、大好きなので」と述べた。

投稿は11日までに7万超の「いいね」が付き注目を集め、「木の風味も含めての赤福の幸福なのに...」「あの木ヘラがええんよ」など、材質の変更を惜しむ声が上がった。一方、「言うほど使いにくいものでもなかった」といった意見も寄せられた。

木のさじは安全性の面で「苦情をいただくことも」

いつから紙製に変更になったのだろうか。11日にJ-CASTニュースの取材に応じた赤福の広報担当者は、23年12月30日販売分から変更したと明かした。

変更の理由は、大きく分けて2つあると明かす。1つが、安全性の問題だ。従来の木製のさじは、割れやささくれが発生することがあったという。

「使用時の安全性の面で苦情をいただくことも往々にしてございました。例えば、本当に稀にではありますが、小さなお子様やお年寄りの方がささくれに気づかず怪我をしてしまった、というようなこともございました」

2つ目の理由としては、木製のさじは海外から輸入していたが、基準を満たした製品の「安定的な供給が難しく」なってきたと明かした。紙製のさじは、日本製という。

「紙製に切り替えることによって、お客様の衛生面や環境にも配慮できることから、検討を重ね、導入に至っております」

変更後には「戸惑い」の声も

紙製のさじに変更しての反響はどうか。

前出の担当者は、「戸惑い」や「木製の風合いが好きだった」という声が寄せられたと明かした。さらに、担当者自身も「蓋を開けた時の風情が若干欠けてしまう」と感じることがあると話す。「本当に申し訳なく思っております」と謝罪し、

「お客様に安全で安心して召し上がっていただけるような商品作りに努めていきたい」
「他の部分で赤福らしさをお客様に感じていただけるように努力をしたいと思っております」

と、コメントした。一方で、変更の理由となったささくれや品質のばらつきに関する意見は「ほぼなくなっております」とし、改善されたとみている。

プラスチックや竹製の時期も

Xでは、さじがプラスチック製だった時期があったとの情報もあった。これまで木製ではない時期は本当にあったのだろうか。

前出の担当者によると、これは事実。実は、プラスチックだけではなく竹製だった時期もあり、「頻繁というほどではありませんが、意外と変更があります」と明かした。

「衛生とか安全、環境への配慮を十分に踏まえて、最善の形を模索しながら現在の形に至っておるというような状況でございます」

J-CASTニュース

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