【あおぞら銀行】SDGs取り組み企業インタビュー「with Blue」
2025年4月21日(月)10時1分 Digital PR Platform
vol.2 食を支える“包あん機” 〜目指すは機械のスマート化〜(レオン自動機株式会社)
あおぞら銀行では、社会のサステナブルな発展に貢献する企業の応援記事シリーズ「with Blue」をウェブサイトに投稿しています。
記事を通してサステナブルな社会について話すきっかけをつくること、そして、サステナブルな社会の実現について考えたり話したりすることが日常として根付くことを目指しています。
第2回目は、レオン自動機株式会社を紹介させていただきます。コア技術である“レオロジー”を応用して食味に拘った食品加工機械を製造し、今や129の国と地域への納入実績を誇り、様々な地域の食文化を支えています。
昨今、少子高齢化や、働き方改革による長時間労働の是正・効率化の動きを背景に働き手不足が社会課題として注目されていますが、働き手不足の解決策の一つである省人化に貢献し、近年では食品ロス削減にも取り組むレオン自動機株式会社を紹介します。
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出典元:レオン自動機株式会社
目次:
・“包あん機”を知っていますか
・コア技術の”レオロジー”
・機械技術と食品製造者の視点の融合
・食品ロス削減と機械のスマート化を目指す
・結びに
“包あん機”を知っていますか
いきなりですが「包あん機」と聞いて、どんな機械を想像しますか?
包あん機とは、食品加工の世界で、生地と中身を一体化させる役割を果たす革新的な機械のことを指します。お饅頭のように生地で餡を包み込む工程を自動化した機械を想像してみてください。
今回ご紹介するレオン自動機株式会社(以下、レオン自動機)は世界で初めて「包あん機」を開発した食品加工機械のパイオニア企業です。みなさんが日常的に楽しんでいる中華まんや餅アイス、チーズ入りハンバーグなど多種多様な食品が、実はレオン自動機の包あん機で製造されているのです。
私たちの生活に密着しながらも、その存在に直接触れる機会の少ない食品加工機械メーカー、レオン自動機。その名前を初めて耳にする方もいらっしゃるかもしれません。
表舞台に立つことの少ない食品加工機械ですが、私たちの食文化を支え、省人化や食品ロスの削減など、社会の持続可能な発展に対する期待が高まるレオン自動機を、今回は特集します。
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レオン自動機「包あん機」で製造された食品たち
コア技術の“レオロジー”
インタビュアー:
レオン自動機の機械には、社名の由来ともなった「レオロジー」を基にした技術が詰まっていると伺いました。レオロジーとは何なのでしょうか?
レオン自動機(株) 福田常務:
レオロジーとは物質の粘性や弾性の流動を解明する学問、つまり流動学のことを指します。食品はまさに粘性(ネバネバ)や弾性(もちもち)といった粘弾性を持つ物質です。
創業者の林虎彦は、このレオロジー学を応用して食品を成形する際に発生する生地のひずみなどを緻密な計算で算出することで、美しく生地を切断し中身を包み込む動作を機械に落とし込んだ包あん機の開発に成功しました。
インタビュアー:
レオロジーが、包あん機開発の成功を導くカギとなる学問だったのですね。レオロジーを基にした技術は、現在ではどのような場面で活きているのでしょうか?
レオン自動機(株) 広報室 岩淵課長:
当社の包あん機は和菓子を始めとし、洋菓子や調理製品など様々な食品成形に採用されています。
包むための外側の生地は多種多様で、食品それぞれの性質が分かっていないと、美しく成形することがとても難しいです。例えばお餅であれば、つき立てのお餅は良く伸びますが、冷えてしまうとカチカチになって伸びなくなりますし、クッキー生地であればバターの配合量によって生地の伸びやすさが変わります。
加えて、食品メーカーや商品によって求められることは様々です。多種多様な生地に対応することや、各メーカーが求める厚さで均一に包み込むことは、決して簡単なことではないのですが、レオロジーの研究を基に素材性質を理解した上での食品成形のノウハウと開発技術によって、実現しているのです。
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「包あん機」の汎用モデルとして登場した「105型」
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豆大福の生産
機械技術と食品製造者の視点の融合
インタビュアー:
食品の微細な特性を自在に操る技術の核心が見えてきました。レオン自動機の包あん機は、国内で高いシェアを獲得し、さらには世界にもその名を知らしめていますね。
レオン自動機(株) 福田常務:
国内シェアは約9割を占め、世界では129の国と地域に販売実績があります。これほどまでに多くの食品メーカーさんに選ばれているのは、我々が機械メーカーでありながら食味に対するこだわりも持っているからだと思っています。
創業者の林虎彦は元和菓子職人でした。彼は単に自動化する機械を作るのではなく、美味しさへの追求を重要視していました。その精神は今も社内で受け継がれています。
インタビュアー:
その食味へのこだわりを具体的に教えていただけますか?
レオン自動機(株) 管理部 佐山次長:
レオン自動機の機械の強みは、生地を傷めないことにあります。例えば、中華まんをふわっと膨らませるには生地が傷ついていないことが大前提です。また、生地にストレスを与えないことで、食品の口当たりや香りを損なわないのです。
加えて、当社では、機械に合わせて食品の材料の配合を変えてもらうことは極力避けています。これにより、食品メーカーのイメージ通りの商品作りに貢献しています。
レオン自動機(株) 広報室 岩淵課長:
また、機械は必ずテストを行い、その後に販売します。お客様にはレオン・ソリューションセンターにお越しいただき、実際に生地を流して製造し、完成した製品を確認・納得していただいてから納品をします。
このように、実演してから販売するというのは創業者のポリシーで、社内に深く根付いています。
インタビュアー:
機械メーカーでありながら、食品製造者の視点を持ち、顧客と真摯に向き合う姿勢が、国内外の食品メーカーからの信頼を勝ち取り、高いシェアを獲得しているのですね。
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左から、
管理部 佐山次長
広報室 岩淵課長
管理本部長 福田常務執行役員
食品ロス削減と機械のスマート化を目指す
インタビュアー:
今回、レオン自動機の革新的な機械を支える開発設計部門の細谷常務にお話を伺う機会をいただきました。
細谷常務:
開発設計部門は、レオロジーを始めとした独自の技術を活用し、顧客にとって魅力的な機械を開発・商品化することが重要な業務です。
新たな地域や商品に向けた機械、安全性や衛生面の向上、食品ロスの軽減、省人化等々、多岐にわたる開発テーマに取組んでいます。
インタビュアー:
特に印象的だった開発案件について教えていただけますか?
細谷常務:
2020年10月に販売を開始した包あん機火星人CN700(以下、「CN700」)の開発です。CN700では、機械に投入された生地を送る機構部分である「ポンプ」を新たに開発しました。実は、近年では最も苦労した開発案件です。
ポンプから生地を一定量出す際の精度が、計量精度や歩留まりの向上に直結します。ポンプ部分は過去から改良を重ねてきましたが、基本的な構造は長年変わっていませんでした。
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開発設計 兼 品質管理 兼 特許担当
細谷取締役常務執行役員
計量精度や歩留まりを改善するために研究開発を行い、CN700では新たなサイクロイド式の仕組みを採用し、一定の容積を淀みなく送り出すことに成功しました。全く新しい形のポンプを開発し、今以上に精度の高いものを創り出す必要があったため、非常に苦労しました。
結果的に、新たなサイクロイド式ポンプによって、計量精度を約20%向上することに成功しました。生地の規定量への精度が高くなったことで歩留まりが向上し、重量のバラつきにより余分に生地を投入する必要がなくなったため、食品ロスの軽減に貢献しています。従来と比較して、1時間に約1キロ以上の材料削減効果があり、実際の現場では機械が何時間も稼働するため、食品メーカーにとっての影響は大きいです。
また、CN700では部品点数の削減や軽量化にも取り組みました。食品工場で働くオペレーターは、小柄な方や女性の方、海外の方など多様化しています。オペレーターの負担を少しでも軽減できるように、これらの改良にも取り組みました。
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包あん機火星人 CN700
インタビュアー:
今後はどのような機械の開発を目指しているのでしょうか。
細谷常務:
現在、機械のスマートライン化に取り組んでいます。
機械に投入される材料や生地は、時間が経つと発酵などにより変化します。現状では、食品工場のオペレーターが物性の変化に合わせて機械の微調整を行っていますが、将来的には、機械がセンサで生地の状態を検知し、最適な設定を自動で行えるようなスマート化を目指しています。生地の変化に合わせて最適な設定にすることは食品ロスの軽減に繋がりますし、機械自身が調整を行うことで、さらなる省人化も期待出来ます。
これらは現在研究開発中のテーマです。商品化を目指して、日々改良を続けています。
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結びに
今回は、レオン自動機(株)の魅力をご紹介させていただきました。
レオン自動機の包あん機は、レオロジーの技術を核に据え、お菓子やパン製品だけでなく、多種多様な調理食品の製造にも活用されています。ただ単に自動化を実現するだけでなく、食品の製造者と同じように食味にこだわった機械を提供することが、高い市場シェアを支える一因となっていると感じました。
また、食品ロス削減や省人化への貢献に寄与する機械の開発といったサステナブルな取り組みが非常に印象的でした。機械は129の国と地域において、食品の生産性向上を支える役目を果たしています。食品加工機械のさらなる進化となるスマートファクトリーへの期待も膨らみます。
我々の食文化を裏方から支えるレオン自動機を、より身近に感じていただけたら幸いです。
※写真提供:レオン自動機株式会社
本件に関するお問合わせ先
あおぞら銀行 03-6752-1111