東京大学松尾研究室発のneoAIと販売・技術提携に向けた協議を開始
2025年4月21日(月)11時46分 PR TIMES
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:浜 直樹)は、東京大学松尾研究室発のスタートアップ企業であり、生成AI技術に特化したソリューションを提供する株式会社neoAI (本社:東京都文京区、代表取締役社長・CEO:千葉 駿介)と、販売および技術提携に向けた協議を開始する基本合意書を締結しました。当社は、企業固有のデータを活用した業務特化型生成AIの提供を通じ、多様な業種や業務において生産性向上と業務効率化を支援していきます。
近年、企業における生成AIの活用は急速に進んでいます。しかし、企業内に存在する情報の多くは、AIによる活用が進むデータベースの数値情報や表形式の取引データなどの構造化データではなく、図表データやさまざまな形式のテキスト情報などの非構造化データです。生成AIで非構造化データを活用するには、企業内に散在するさまざまなデータを体系化し、効率的に扱える仕組みを構築することが重要です。この仕組みを整えることで、多様な企業内データの生成AIによる活用が可能となり、それぞれの業務に特化した生成AIの精度を高めることにつながります。また、金融業における顧客情報や製造業における製品開発情報など機密性の高い情報を扱うために、クラウド環境でなく企業内でデータを処理できるオンプレミス環境※1で実装可能な生成AIへの利用ニーズも高まっています。
当社は、長年にわたり企業における業務プロセスを、文書管理の観点から整理・最適化する環境の構築を支援してきました。その過程で業務プロセスの構築ノウハウに加え、企業内データを体系化しドキュメントを活用するための自然言語処理技術※2や、非構造化データを構造化データに再構築する技術開発にも取り組んできています。
一方neoAIは、日本語に特化した独自のLLM(大規模言語モデル)やオンプレミス環境で生成AIを運用し、高いセキュリティを保ちながら高精度の出力を可能にする独自のアルゴリズム※3を有しており、特に品質要求の厳しい金融機関の業務効率化において、数多くの導入実績を誇ります。
このたび両社は、それぞれの強みを融合することで、お客様が企業内のデータを有効に活用し、精度の高い業務特化型生成AIを利用できる環境の提供を目指します。その実現に向け、企業における生成AI活用の促進に向けて、販売・技術提携に向けた協議を行います。
主な検討内容は以下の通りです。
・当社のドキュメント関連技術とneoAI独自のアルゴリズムを搭載した生成AIプラットフォーム「neoAI Chat」※4を組み合わせた、業種・業務特化型データの利活用を推進する販売・サポート体制の構築
・当社のクラウドサービスとneoAIの生成AIプラットフォーム「neoAI Chat」を連携させるための技術開発、導入実績をベースにした新たなサービスメニュー開発に向けた技術提携、および技術者の人材交流
なお、この協議に先立ち、当社はneoAIの生成 AIプラットフォームを活用したPoC(Proof of Concept:概念実証)を当社の金融機関や不動産業などのお客様に対して1年間にわたり実施しました。その結果当社は、neoAI独自のアルゴリズムを実装している生成 AIプラットフォームが、幅広いデータ活用と高精度なアウトプットを可能とすることなどの有用性・実用性を確認しました。
本協議により両社は、生成AIによる業種・業務固有の業務効率化を支援し、企業における業務特化型生成AI導入の加速を目指します。また、技術開発面での人材交流を通して、中長期的な技術基盤を強化し、持続的なイノベーションを創出してまいります。
※1: 自社内にサーバーやシステムを設置して運用する環境。
生成AIは、クラウド環境で利用することが一般的となっています。一方で、金融機関など機密情報を扱う機関では、
セキュリティの観点でクラウド型生成AIの利用が難しい場合があり、外部のネットワークに接続しないオンプレミス環境で利
用できる生成AIが求められています。
※2:人間がコミュニケーションで使う自然言語を、コンピュータが人と同じように利用するための技術。
※3: 生成AIに検索システムを組み合わせることで、回答の精度を向上させる技術「RAG(Retrieval Augmented Generation)」の精度を高めるアルゴリズム。
※4:neoAIの提供する、社内データとLLMを組み合わせ高精度なAIアシスタント/エージェントをノーコードで生成できる生成AIサービス。
富士フイルムビジネスイノベーション株式会社 取締役 常務執行役員 CTO 鍋田 敏之のコメント
私は昨年まで、富士フイルムのメディカルシステム事業における開発責任者として、AI技術の医療現場への実装をリードしてきました。この経験を活かし、富士フイルムグループの技術アセットを最大限に活用し富士フイルムビジネスイノベーションにてAI技術を活用した事業の拡大を加速します。
このたびの東京大学松尾研究室で培った最先端技術を圧倒的なスピードで実用化し、提供するneoAIとの協業検討によって、医療、金融、教育、政府、自治体など多岐にわたる分野での先進的なAI実装の加速を進めていきます。この協業を通じて、多くの企業のDX推進や新たな価値創造に貢献してまいります。
株式会社neoAI 代表取締役CEO 千葉 駿介氏のコメント
neoAIでは、これまで金融機関や電力会社などエンタープライズ企業を中心に、50社以上の企業様に生成AIプラットフォーム「neoAI Chat」を提供して参りました。
生成AI技術を活用するためには、ドキュメントを中心としたデータ基盤の整備が不可欠です。故に、ドキュメント領域で多くのDXの実績を持つ、富士フイルムビジネスイノベーションとの本提携は、弊社のソリューションの提供価値を飛躍的に高める連携であると確信しております。
本提携をもとに、富士フイルムビジネスイノベーションと協力して、生成AIがもたらす果実を、日本全国津々浦々に、届けていきたいと思います。
株式会社neoAIについて
株式会社neoAIは、生成AI特化したソリューションを提供する東京大学松尾研究室発スタートアップです。2022年の創業以来、圧倒的な技術力とスピード感で急成長を遂げています。生成AIプラットフォーム「neoAI Chat」を中心に、生成AIの活用による業務効率化や新規事業創出を支援しています。独自のLLM開発にも注力しており、最先端のAI技術を駆使して革新的なサービスを展開しております。
https://neoai.jp/