日野と三菱ふそう、経営統合で近く最終合意…両親会社の出資で持ち株会社を設立し傘下に
2025年4月22日(火)11時46分 読売新聞
基本合意を結んだ際の記者会見に出席したる4社の社長(2023年5月30日、東京都港区で)=片岡航希撮影
トヨタ自動車傘下の日野自動車と独ダイムラートラック傘下の三菱ふそうトラック・バスが、経営統合に向けて最終合意を結ぶ方向で調整に入った。両社の親会社が出資して持ち株会社を設立し、2社が傘下に入る。競争当局などとの手続きが完了し次第、早ければ5月にも最終契約を締結したい考えだ。
経営統合は、多額の開発費が必要とされる電気自動車(EV)や自動運転などの分野で協業し、価格競争力を向上させる狙いがある。部品調達の一本化なども想定する。統合後も、両社のブランドは維持する予定という。
4社は2023年5月に基本合意を結び、24年末までに日野自と三菱ふそうの経営統合を完了すると発表していた。しかし、日野自でエンジンの認証不正問題への対応が長引き、24年2月に最終契約の締結を無期限で延期すると明らかにした。
今年に入って、日野自は米当局と和解し、制裁金などにかかる費用として、計2584億円の特別損失を計上。一連の問題が収束に向かったことで協議が進展した。日野自の小木曽聡社長は1月、「経営統合に向けて視界が開けてきた」と話していた。
今回の統合が実現すれば、日本の商用車大手は、日野自と三菱ふそうの陣営と、いすゞ自動車と傘下のUDトラックスの2陣営に集約されることになる。
日野自は22日、「持ち株会社への出資比率などについて、現時点で決まっていることはない。決まった場合は、速やかに公表する」とのコメントを出した。