日産が武漢工場撤退へ、中国拠点も稼働率1割未満…過去最悪の赤字見通しでリストラ急ぐ

2025年4月26日(土)5時0分 読売新聞

日産自動車

 日産自動車は、中国内陸部・湖北省の武漢工場での車両生産から撤退する方針を固めた。年30万台の生産能力を持つ主力拠点だったが、中国メーカーの台頭による販売不振で、稼働率が1割未満に低迷していたという。日産は過去最悪の巨額赤字に転落する見通しで、経営再建に向けたリストラを急ぐ。

 関係者によると、2025年度内にも生産を終了する方向だ。武漢工場は22年に稼働を始めたばかりで、わずか3年での撤退となる。同工場は世界戦略車の電気自動車(EV)「アリア」やスポーツ用多目的車(SUV)「エクストレイル」を手がけ、22〜23年の生産台数は年1万台前後にとどまっていたとされる。24年以降は稼働率の改善に向けて合弁相手の東風汽車集団のEVを生産していた。

 日産は25年3月期の業績予想で、最終利益が過去最悪の最大7500億円の赤字に陥る見通し。24年の中国販売は前年比12%減の約70万台にとどまり、コロナ禍前の18年からは半減した。販売減を補うために中国から年間10万台の輸出を目指す計画を掲げるが、欧米による高関税が不透明感を強める可能性がある。

 日産は24年6月に江蘇省常州の工場の生産からも撤退し、今回の武漢の撤退後、中国の生産拠点は4か所となる。今年2月に中国の生産能力を150万台から100万台へ引き下げると表明していたが、現状の生産能力もなお過剰で、日産幹部は「追加閉鎖も検討する」と話している。

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