セブン&アイ、クシュタールとNDA契約…買収協議に進展もセブン「単独路線」崩さず
2025年5月1日(木)11時15分 読売新聞
セブン&アイ・ホールディングス
セブン&アイ・ホールディングス(HD)と同社に買収提案しているカナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールは1日、買収協議の秘密保持契約(NDA)を結んだと発表した。
セブン関係者によると、NDAは4月末までに締結された。クシュタールが敵対的買収を行わないとする条項(保護条項)を認めたことを受け、締結に至ったという。今後は互いに資産査定などを進めていく方針だが、セブンは単独路線を維持する考えを崩しておらず、協議の先行きは見通せないままだ。
買収の実現には、米国の反トラスト法(独占禁止法)の規制をクリアするため、米国で2000店以上を売却する必要があるとされている。セブンが協議開始の前提としていた店舗売却先の選定についても、複数の買い手候補が出てきたことで、NDA締結が実現した。
クシュタールのアレックス・ミラー最高経営責任者(CEO)は「本格的な協議を行うことに感謝する」と声明を出した。セブンの社外取締役で構成する特別委員会のポール与那嶺委員長は、「建設的な協議における前向きな進展」とコメントした。
NDAを巡っては、セブンが求めていた保護条項をクシュタールが拒否していたことなどから、締結できない状況が続いていた。