「東都神セブン」の現在地 史上初のドラフト1位投手7人輩出から早2年
2025年5月3日(土)6時10分 ココカラネクスト

武内は5月下旬に1軍復帰の予定だ(C)産経新聞社
「今年はあまりいないねえ」
古参スカウトがため息をつくのも、致し方のないところです。
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2025年、大学球界におけるドラフト戦線。昨年の今頃は明治大の宗山塁遊撃手と、関西大の左腕・金丸夢斗投手がドラフト1位候補としてスカウト陣の人気を二分しており、視察する目利きにも熱がこもっていました。
対して2025年は上位候補の絶対数が不足。創価大のスラッガー・立石正広内野手が頭一つ抜けた存在ですが、それに続く選手の台頭が望まれるところです。
前述のスカウトは言います。
「2年前の東都リーグは凄かったよね。1日3試合の日は、朝から夕方まで続々と1位候補が出てきたから。ゆっくりと煙草も吸えない(笑)。でもだからといって、あの年の1位になった7人がプロで大活躍しているとは限らないんだから、ドラフトは難しいよね」
史上初の同一リーグドラフト1位7人輩出から早2年。2023年の「東都神セブン」の現在地を追いました。
・広島1位 常廣羽也斗投手(青山学院大)
今季ここまで1軍登板はありませんが、ウエスタン・リーグでは5試合に先発し、1勝3敗の防御率3.18とまずまずの成績。1軍での先発マウンドに期待です。
・阪神1位 下村海翔投手(青山学院大)
昨年4月に右肘のトミー・ジョン手術を受け、リハビリは順調の模様。先月からはブルペン投球にも取り組んでおり、復活が待ち遠しいです。
・西武1位 武内夏暉投手(国学院大)
昨年は1軍で規定投球回に到達。10勝6敗、防御率2.17でパ・リーグの新人王に輝きました。今年は左肘痛でリハビリに励んでいましたが、5月には1軍に復帰する見通しです。
・巨人1位 西舘勇陽投手(中央大)
今季はリリーフで5試合に登板。1ホールドを挙げ、防御率2.57と好調でしたが、厚い救援陣の中で2軍行きを通達されました。長いシーズン、必ず力が必要とされる時は来るでしょう。
・日本ハム1位・細野晴希投手(東洋大)
今季はまだ1軍登板こそないですが、イースタンではすでに6試合に先発し、2勝1敗、防御率2.01と好投しています。1軍でのプロ初勝利の瞬間は、時間の問題と言えるでしょう。
・ヤクルト1位・西舘昂汰投手(専修大)
入団直後の昨年1月、右肘を故障。9月にトミー・ジョン手術を受け、今は懸命にリハビリへと取り組んでいます。今は焦るときではありません。
・中日1位・草加勝投手(亜細亜大)
昨年2月にトミー・ジョン手術を受けましたが、順調に回復。4月30日のウエスタン・リーグ広島戦(ナゴヤ)でプロ初の実戦登板に臨み、3者連続奪三振と快投しました。バンテリンドームでのデビューが、今から楽しみでなりません。
7人の歩みから分かることは、ドラフト1位入団といえども、プロで活躍するのは容易ではないということ。逆に中位から下位の指名選手でも、プロの水に合い、結果を残す選手はいます。そのあたりの見極めも、スカウトに託された任務と言えるでしょう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]