ADB総会で米、対中融資の終了主張「開発途上国に重点置くべき」…中国は強く反発
2025年5月7日(水)7時43分 読売新聞
アメリカと中国の国旗=AP
【ミラノ=井戸田崇志】イタリア北部ミラノで開かれているアジア開発銀行(ADB)の年次総会で、米国がADBの中国向け融資の終了を主張したのに対し、継続を訴える中国が強く反発し、米中の対立が鮮明になった。
5日の会合では、ADBに出資する国の代表者が意見を表明した。米財務省のマーガレット・クーロウ次官補代理は「ADBの支援は開発途上国に重点を置くべきだ。所得水準が高い国は支援を卒業する必要がある」と強調。「特に中国への具体的な措置が必要だ」と、名指しで対中融資の終了を訴えた。
これに対し、中国の
ADBの2024年12月末現在の融資残高は1538億ドル(約22兆円)で、中国向けは181億ドルと1割以上を占める。
米国は日本と並ぶADBの最大の出資国で、15・6%を出資。中国は日米に次ぐ6・4%出資しており、今後、難しい調整が必要となる可能性がある。