トランプ関税発動の前に…3月のアメリカ貿易赤字、駆け込み輸入で過去最大
2025年5月7日(水)11時58分 読売新聞
アメリカ国旗=ロイター
【ワシントン=田中宏幸】米商務省が6日発表した3月の貿易統計(国際収支ベース、季節調整済み)によると、モノとサービスを合わせた貿易赤字額は前月比14・0%増の1405億ドル(約20兆円)で過去最大となった。トランプ米政権による関税引き上げを前に「駆け込み輸入」が増えた影響とみられる。
輸入は4・4%増の4190億ドルと過去最大だった。自動車や部品のほか、半導体、医薬品などトランプ大統領が追加関税を課すと表明した品目が伸びた。輸出は0・2%増の2785億ドルだった。
モノの貿易赤字額(通関ベース)は11・2%増の1635億ドルだった。輸入は3468億ドル、輸出は1832億ドルで、ともに過去最大を更新した。国別の貿易赤字額はアイルランドが293億ドルで最も大きく、メキシコ、中国が続いた。日本は30・5%増の62億ドルだった。
トランプ政権は2〜3月に中国やカナダ、メキシコに相次いで追加関税を課した。4月には、ほぼ全ての貿易相手国・地域からの輸入品を対象とした「相互関税」や、自動車への追加関税も発動している。