におい・かおり研究(小林剛史教授)×VRゲーム 香りのデジタル化で高齢者の認知機能向上寄与への研究本格化 国際科学誌「Scientific Reports」掲載と科学技術振興機構研究費に採択
2025年5月15日(木)15時16分 PR TIMES
人間学部小林教授の共同研究における研究領域について
高齢者の認知・記憶機能は年齢とともに衰えていきますが、その機能を維持向上させることは重要な課題です。また、認知・記憶機能のリハビリテーションは認知症等の予防の観点からも大切です。これまで、嗅覚刺激が認知機能改善に有効といわれていましたが、これまでは香りサンプルを直接嗅ぐような方法しかなく、映像に合わせて香りの種類や強さを変えてゲームの中で香りを嗅ぐ方法はありませんでした。
本研究は、工学・心理学・芸術の各分野からなる学際的アプローチで進められ、東京科学大学・中本高道教授らが開発した「かおりVRゲーム」の体験が高齢者の認知機能に与える影響を検討しました。小林教授は本ゲーム体験の前後における認知機能の変化を実証的に検証し、かつ、実験デザインの構築、評価指標の選定、データ解析、結果の解釈、論文執筆に至るまで、研究の中核を担う役割を果たしました。
研究評価について
被験者である高齢者30名(63〜90歳)を対象に、香り識別と記憶に基づく認知課題をVR空間で実施した結果、視空間認知能力に関連する課題(ひらがなローテーション、単語空間記憶課題)のスコアが有意に向上したことが確認されました。これまで直接的な香り提示にとどまっていた従来の手法に代わる、没入感と効果の両立を可能にする新たな手段として評価され、科学技術振興機構(JST)の未来社会創造事業(探索加速型)において、2025年度(令和7年度)新規本格研究課題として採択されました。また、2025年3月28日付で「Scientific Reports」誌にも掲載されました。
文京学院大学 人間学部 小林 剛史教授プロフィール
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/35644/381/35644-381-c4e73f70d5e7ddec57e46c21deb0581c-242x279.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]【専門分野】
生理心理学、行動薬理学、認知心理学、神経科学
【研究課題】
生理心理学、知覚心理学、認知心理学、感情心理学の話題全般、においに対する慣れ、においと先入観、においと自伝的記憶、スメハラなど
【所属学会・団体】 (一部抜粋)
日本認知心理学会、日本生理心理学会、日本感情心理学会
共同研究概要
研究課題名:香り再現にもとづいたデジタル香り技術の構築
共同研究者:東京科学大学 総合研究院 未来産業技術研究所中本 高道 特任教授
東京科学大学 工学院 情報通信系 角南 遼太氏
University of the Arts London Nathan COHEN
法政大学 理工学部 山本 晃輔 准教授
研究期間 :2025年度〜2029年度(5年間)
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/35644/381/35644-381-21760cc1931411ff56bdc6f031579484-408x324.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]