「ASAGI Labs」が世界的課題である健康寿命の延伸を目指すXPRIZE Healthspan FSHD Bonus PrizeのTop8/決勝へ選出
2025年5月22日(木)12時47分 PR TIMES
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/152452/6/152452-6-62b6b05415688881c3224723eb75c880-2401x864.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
「一般財団法人ASAGI Labs」(アサギラボス)(本社:長野県軽井沢町、代表理事:早野元詞)は、「株式会社ASAGI Labs」(本社:東京都新宿区、代表取締役:早野元詞)と連携し、世界最大の今後7年間で実施されるXPRIZE Healthspanへ参加、Healthspan teams Top 100 (合計賞金101M USD/約150億円)およびFSHD Bonus Prize (合計賞金10M USD/約15億円)にてTop 8に選出されました。 また、ASAGI Labs代表の早野元詞が慶應義塾大学にて共同研究契約に基づき非臨床研究を担当している、阿部養庵堂薬品株式会社(本社:東京都足立区、代表取締役社長:阿部朋孝)が、Healthspan teams Top 40に選出されました。
■FSHD(顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)について
FSHD(顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー)は指定難病113に指定されており、人口10万人に5人ほどの罹患率で、顔や肩、腕の筋力低下から始まり、徐々に下肢や体幹へ進行する遺伝性の筋疾患です。発症は10〜30代が多く、進行は緩やかですが、生活の質に大きく影響します。原因はDUX4遺伝子の異常発現で、現在は根治療法がなく、リハビリや装具などの対症療法が中心です。診断の遅れや有効な薬剤の不在、社会参加の困難さが課題とされています。近年はDUX4を標的とした研究が進んでおり、新たな治療法への期待が高まっています。
■XPRIZE Healthspanとは
XPRIZE Healthspanは、非営利団体であるXPRIZE Foundation(以下、XPRIZE)によって立ち上げられたコンペティションの企画です。米国、欧州などすべての参加者が非臨床試験ではなく臨床研究や治験によって、50歳から80歳までの方を対象とした筋肉、認知、免疫機能を最低でも10年、目標は20年分を予防もしくは改善する手法の開発を目指します(賞金合計101M USD/150億円)。また、顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー(FSHD)に対する治療法の開発も同時に支援されます(賞金合計10M USD/15億円)。
XPRIZE Healthspanのインパクトや世界の動向については、代表の早野が執筆した書籍もぜひご参照ください[*1, *2]。
■健康寿命がもたらす未来への可能性
60歳が超高齢者だった100年前の時代に比べて、平均寿命は40歳から80歳まで急激に倍増し、2024年の日本では65歳以上の人口が全体の29%を超えるまでに達しました。世界的にも先進国を中心に、超高齢化社会による医療費負担の増加や、生産年齢人口の減少、健康的で幸福な生活の維持が課題になっています。健康寿命は、1年延ばすと世界経済に38兆ドル(約6,000兆円)の価値をもたらし、健康寿命を10年延ばすことができれば、その価値は300兆ドルを超えると試算されています[*3] 。
■ASAGI Labsの取り組みについて
一般財団法人ASAGI Labsは、50歳から80歳までの方およびFSHDの患者様を対象として、すでに安全性や有効性のデータが存在する薬を活用する「ドラッグ・リパーパシング」にて、これらの課題に挑戦しています。今回XPRIZE Healthspanにおいては、世界中の参加チームの中からHealthspan teamsのTop 100、FSHD Bonus PrizeのTop 8へ選出されました。
XPRIZE Healthspanは、ヒトでの実証試験(PoC)を遂行し、Healthspanは2026年に選出されるTop 10、その後の2030年のGrand Awardを目指します。また、FSHD Bonus PrizeはFinalistとして2030年のGrand Awardを目指します。FSHDは近年の研究によって発症の理解が進んできていますが、効果的な治療薬の開発に課題があります。非常に安価で、かつ安全性についても長い期間のデータが蓄積されている承認薬を活用して、患者のQoL向上を目指します。
現在、プロジェクトの進行に向けた共同研究者、パートナー企業を募集しております。
今後、臨床研究法、医薬品医療機器等法等を遵守し、該当機関と適宜連携を行うことでヒトでの有効性を検証して参ります。臨床研究や治験にあたっては、以下の臨床研究者の先生方をはじめとするアドバイザー、共同研究者とプロジェクトを推進いたします。
- 長尾雅史(順天堂大学 整形外科・スポーツ診療科 、革新的医療技術開発研究センター、スポーツ医学研究室、AIインキュベーションファーム 特任准教授)
- 大山 彦光(埼玉医科大学 脳神経内科・脳卒中内科 教授)
- 藤井 昌学(岡山大学 学術研究院医歯薬学域高齢者総合医療講座 准教授)
- 足立 剛也(京都府立医科大学大学院医学研究科 医療フロンティア展開学 特任講師)
- その他
ASAGI Labsでは、本プロジェクトへの研究、事業へ参画いただける研究者、臨床医、企業、自治体、病院とのコンソーシアムを強化して参ります。ご関心を持たれた方は下記までご連絡ください。
【協業のお問い合わせ】
一般財団法人ASAGI Labs:info@asagilabs.or.jp
参考文献
*1. 寿命を自分で決める時代(Hanada新書)、早野元詞 (著)
https://asukashinsha.co.jp/bookinfo/9784868010784.php
*2. エイジング革命(朝日新書)、早野 元詞 (著)
https://publications.asahi.com/product/24814.html
*3. Scott, A. J., Ellison, M. & Sinclair, D. A. The economic value of targeting aging. Nat Aging 1, 616-623 (2021).
〈ASAGI Labsの概要〉
一般財団法人ASAGI Labsは、10年後、50年後、100年後のヘルスケア、健康といった中・長期ビジョンを軸とした研究や教育を目指して2024年に設立されました。研究の注力領域は、身体機能を可視化する生物学的年齢、エピゲノムによる細胞機能の再構築、免疫老化、新しいエイジング・ホールマークスの探索、老化や寿命の進化や種の多様性となっております。自治体や企業との連携を推進しており、また寄付による若手研究の支援を進めております。
一般財団法人ASAGI Labsでは、コミュニティ会員のご登録および活動をご支援いただける皆様からのご寄付を募集しております。
https://asagilabs.or.jp/
株式会社ASAGI Labsは、アカデミアや企業から生まれたエイジングに関わる技術の社会実装を推進します。当法人に所属する製薬や投資、コンサルティングなど様々な経験を持つ人材が研究成果の活用に向けた特許戦略、事業計画の策定、研究開発を行うことで研究成果の価値を最大化し、”エイジング”の文脈にてスタートアップ創出や、ライセンシング事業を展開します。また、外部企業に向けたエイジングに関わるマーケットの分析、企業が持つシーズを元にした新しいプロダクトの共同開発、エイジングに関する事業のコンサルティングも手掛けます。
https://asagilabs.com/
〈阿部養庵堂薬品株式会社の概要 〉
株式会社 阿部養庵堂薬品
代表者 : 代表取締役 阿部朋孝
所在地 : 〒120-0022 東京都足立区柳原1丁目5-4 YAK北千住ビル
創業 : 1731年 / 設立 : 1984年12月
事業内容 : 健康食品の卸売・小売・受託製造、サプリメントの加工、健康食品・原材料の輸入、 化粧品の卸売・小売・受託製造、化粧品の加工、原材料の自社研究
URL : https://corp.abeyoando.co.jp
〈早野元詞プロフィール 〉
一般財団法人ASAGI Labs代表理事、株式会社ASAGI Labs代表取締役。東京理科大学 研究推進機構総合研究院 准教授、慶應義塾大学医学部 整形外科学教室 特任講師。博士(生命科学)。 専門は老化、エピジェネティクス。米ハーバード大学医科大学院のデビット・A・シンクレアのラボへ留学。株式会社坪田ラボ、One Genomics. Inc、(株)Flox Bioなど様々な企業の研究企画、創業に関わっている。研究者ネットワーク、キャリア支援として、一般社団法人 ASG-Keio代表理事、一般社団法人 海外研究者ネットワーク理事、米国UJAW.Inc (501c3)、NPO ケイロンイニシアチブ理事。