遺伝子パネル検査用解析ソフトウェア「GENEX Detector」が疾患別にライセンス提供を開始
2025年5月23日(金)10時47分 PR TIMES
報道関係者各位
ジーネックス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役:八木 研、以下「ジーネックス」、または「当社」)は、当社が2023年12月より順天堂大学へ提供しているミトコンドリア病遺伝子パネル検査用解析ソフトウェアである「GENEX Detector」をACMG(米国臨床遺伝・ゲノム学会※1)が二次的所見に関して報告を推奨している遺伝子を含む他疾患に対象を拡大し(※2)、大学病院や研究機関等に向けてライセンス提供を開始いたしました。
※1:ACMG(American College of Medical Genetics and Genomics)
※2:Actionabilityサマリーレポート日本版(http://www.idenshiiryoubumon.org/actionability_japan/index.html)でリスト化されている遺伝子にも対応。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/55846/15/55846-15-5a0a19d432fd5162ddb83ff438e26694-2073x612.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
背景・目的
GENEX Detectorは、当社が自社開発したオンプレミス型の解析ソフトウェアで、指定難病であるミトコンドリア病の原因遺伝子を一括で調べることができる「ミトコンドリア病遺伝子パネル検査」において、2023年11月に保険適応検査として受付を開始してから継続活用され解析実績は370件を超えています。遺伝子パネル検査は、検査対象となる特定遺伝子の変異と疾患の関連性を調べる検査で、治療の選択肢を広げ、患者一人ひとりに合った治療法を見つける以外にも疾患の早期発見、早期予防につながる可能性があり、先天性疾患や遺伝性疾患、神経疾患、代謝性疾患など様々な領域で活用されています。遺伝性疾患とそれに関連する遺伝子・バリアントの世界的なデータベースであるOMIM(Online Mendelian Inheritance in Man(R))では、遺伝性疾患の病因遺伝子解明状況(※1)に関して、遺伝性疾患である可能性が高いと考えられる疾患までを含めると10,214疾患、その中で病因遺伝子が解明されている疾患は6,984疾患(約68%)と報告されています。
しかし、日本において遺伝学的検査として保険収載されている疾患は2022年時点で191疾患(※2)であり、OMIM(R)に登録されている病因遺伝子が解明された疾患の3%程度にすぎず大きな課題とされています。
当社は、GENEX Detectorを様々な疾患別遺伝子パネル検査へ応用していくことで、遺伝学的検査で保険収載される疾患の拡大を後押しするだけでなく、ゲノムデータをもとに疾患の特定や病態の解明を目指すゲノム医療の発展、及びプレシジョン・プリベンション(精密予防※3)の普及に貢献してまいります。
※1:OMIM Entry Statistics (https://www.omim.org/statistics/entry) / 2025年5月11日時点
※2:公益財団法人かずさDNA研究所:令和4年度診療報酬改定に伴うD006-4遺伝学的検査の受託に関して
https://www.genetest.jp/initial.html
※3:病気から身を守る方法ではなく、治療の必要のない健康な状態を維持するセルフマネジメントの考え方
参考1.:疾患別遺伝子パネル 対象疾患 例
●遺伝学的検査が推奨されているが、まだ保険収載されていない疾患
例:心疾患、若年性認知症など
●発症していなければ受けられない遺伝学的検査
例:家族性パーキンソン病など
●日本人頻度が高いが一般的ではない疾患
例:家族性高コレステロール血症など
●鑑別が困難な疾患
例:メチルマロン酸血症など
参考2.:ACMG二次的所見の報告推奨対象遺伝子81個(※)
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/55846/15/55846-15-3e072ca12187fb90266e067faeb0d4cc-1459x915.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]※ACMG SF v3.2 (The ACMG Secondary Findings v3.2 list)
疾患別遺伝子パネル検査用解析ソフトウェア「GENEX Detector」概要
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/55846/15/55846-15-62dda318ca3d0c0104a3f58752498323-1337x797.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]※画像はイメージ
<主な機能>
1)バリアントデータの読み込み
次世代シーケンサーおよび付随する解析パイプラインから生成されたVariant call Format (VCF)ファイルを読み込む。2)パネル検査用参照データの読み込み
パネル検査で検出対象とする特定の病的バリアント等を含むタブ区切リテキスト(TSV)ファイルまたはVariant call Format (VCF)ファイルを読み込む。3)データ解析
読み込んだバリアントデータと参照データを比較できるように、座標変換やバリアント表記変換等の処理を行った後、読み込んだバリアントデータの中から検出候補バリアントを特定する。4)パネル検査結果データの出力
データ解析の結果、検出候補として特定されたバリアントについて、そのバリアントに関するデータを整理して表示あるいは出力する。※データ読み込み基準やデータ解析内容、レポートテンプレートファイルのカスタマイズが可能。
<対象疾患>
保険収載有無に関わらず遺伝性疾患すべてが対象
<提供形態>
オンプレミス型
<参照データベース等>
ClinVar, ClinGen, Mitomap, jMorp, TogoVar, The UNMET score, NCBI Gene, HGNC, Mondo Disease Ontology, Nanbyo Disease Ontology, Clinical Genomic Database, The Gene Curation Coalition, Human Phenotype Ontology, Orphanet など
<契約単位>
1年間ごとに更新
<提供料金> ※金額は全て税別
・初期費用 :50万円〜
※対象バリアント数に応じて変動。疾患別カスタマイズ費用を含む。
・基本利用料:120万円〜/1ライセンス・年間
※金額は医療機関対象のため、民間企業は応相談。
・データ更新:20万円〜/回
※参照リファレンスおよび更新バリアントの数量に応じて変動。
<その他>
詳細やお問い合わせは下記をご参照ください。
- ジーネックス 法人向け検査:http://genex.co.jp/biz
- ジーネックス お問い合わせ:https://genex.co.jp/inquiry/
ジーネックスについて
当社は、ゲノム検査サービスを通じて、データに基づく健康管理の質向上を目的に2019年8月に設立されたマネックスグループ株式会社、株式会社タウンズ、株式会社スギ薬局、科研製薬株式会社等を主要株主とするベンチャー企業です。全ゲノム検査およびエクソーム検査が可能な国内唯一の民間企業(※)として一般消費者向けにゲノム検査サービスを提供するほか、希少疾患領域における共同研究事業として指定難病であるミトコンドリア病の病態解明や診断・治療法開発等を目指す埼玉医科大学、千葉県こども病院、順天堂大学との多機関共同研究に参画するとともに、全ゲノム情報の取得・管理に関する代行業務やコンサルティングも実施しています。
※2024年10月1日現在(当社調べ)
詳しくは下記URLをご覧ください。
- ジーネックスHP:https://genex.co.jp/
- ジーネックス 公式X:https://x.com/genex_jp
- ジーネックス メッセージ動画:https://genex.co.jp/movie/
※本文中の商品名ならびにサービス名は各社の商標、または登録商標です。