日産、削減対象外の栃木工場の一部売却も検討…「グローバル本社」は売却後に賃貸契約か
2025年5月24日(土)0時36分 読売新聞
日産自動車グローバル本社外観
経営再建中の日産自動車が、横浜市の本社ビルの売却に加え、栃木工場(栃木県)の一部売却や生産体制の縮小を検討していることがわかった。国内を含む世界7工場の削減や2万人の人員削減にかかるリストラ費用に備え、財務基盤を厚くする狙いがある。
本社ビルは、売却後も賃貸で契約し、事業を継続する案を検討しているとみられる。横浜駅に隣接する横浜市みなとみらい地区に位置し、日産は2009年、東京・銀座から本社を移した。世界で展開する事業を統括する「グローバル本社」と位置づけている。
資産価値は約1000億円とみられ、売却すれば手元資金を捻出することが可能となる。
関係者によると、栃木工場については、車両開発に必要なテストコースが整備されていることなどから、中国を除いて17から10に集約する完成車工場の削減候補には上がっていない。ただ、敷地面積が日産の国内工場では最も大きいため、敷地の一部売却なども含めて検討しているという。
日産は25年3月期連結決算で、最終利益が6708億円の巨額赤字に転落。26年度までに計5000億円のコスト削減を目指すとしている。