USスチール「さらなる成長と強化を目指す」、日本製鉄「英断に心より敬意を表す」…トランプ氏が買収承認へ

2025年5月24日(土)11時52分 読売新聞

トランプ米大統領=ロイター

 【ニューヨーク=小林泰裕】日本製鉄による米鉄鋼大手USスチールの買収計画を巡り、トランプ米大統領は23日、自身のSNSで、両社の「計画的なパートナーシップ(提携)」を承認する意向を表明した。雇用が創出され、巨額の経済効果が生まれると強調しており、欧米メディアは「買収を承認」と報じた。トランプ氏が前向きな姿勢を示したことで、買収が実現する可能性が高まっている。

 トランプ氏は、「これはUSスチールと日鉄の間の計画的な提携で、少なくとも7万人の雇用を創出し、米国経済に140億ドル(約2兆円)の効果をもたらす」と投稿。日鉄による投資の大部分が今後14か月以内に行われ、USスチールの本社は引き続きペンシルベニア州ピッツバーグに置かれると説明した。

 買収の枠組みなどへの直接的な言及はなかったが、投稿内容は日鉄側の提案に沿ったものだ。日鉄側はUSスチールへの投資は完全子会社化が前提としており、欧米の複数メディアは、トランプ氏が「買収を承認」「買収に賛成」と報じ、23日の米株式市場でUSスチールの株価は21%上昇した。

 日鉄は2023年12月にUSスチールを141億ドルで買収すると発表したが、25年1月にバイデン前大統領が安全保障上の懸念を理由に禁止命令を出した。

 トランプ氏は今年2月、USスチールへの出資は歓迎する考えを示す一方、完全子会社化や過半出資には反対の意向を表明した。4月には、買収が米国の安全保障にリスクを及ぼすかについて、対米外国投資委員会(CFIUS)に再審査を指示。CFIUSは今月21日に審査を終え、トランプ氏に勧告書を提出したと報じられ、トランプ氏が買収を認めるかどうかに注目が集まっていた。

 トランプ氏の投稿を受けて、USスチールは23日、「日鉄との提携を通じ、さらなる成長と強化を目指す」との声明を公表。日鉄は24日、「パートナーシップを承認したトランプ氏の英断に心より敬意を表す」とのコメントを出した。日鉄の提案は米国の労働者や鉄鋼業、国家安全保障を守るというトランプ政権の公約と合致するとし、「米国鉄鋼業、さらには米国製造業全体にとって画期的な転機となる」としている。

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