ラボスケールでマイクロ波を用いた鉄鉱石の還元に成功

2023年12月13日(水)14時47分 PR TIMES

〜鉄鋼業界の大きな課題である製鉄プロセスのカーボンニュートラルに貢献〜

マイクロ波化学株式会社(本社:大阪府吹田市、代表取締役社長CEO:吉野巌、以下「当社」)は、この度、ラボスケールでマイクロ波を用いた鉄鉱石から鉄への還元に成功しました。今後、技術の確立を進め、事業パートナーを募ります。

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鉄鋼業界のCO2排出量は、全世界の同排出量の約10%を占めており、日本国内では産業部門の約35%、国全体で見ると約12%を占めています(2020年度)※1。製鉄プロセスは、鉄鉱石と石炭(コークス)から高炉・転炉により還元・溶解して生産する方法や、鉄スクラップを電炉により溶解して生産する方法が一般的です。その中でも現行の高炉法では、石炭で還元する課程で不可避的に大量のCO2が排出され、環境負荷の大きな要因となっています。そのため、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラルを実現するには、製鉄プロセスの抜本的な転換が求められています。

これまでマイクロ波での鉄鉱石の還元はスケールアップが課題でしたが、今回当社では、鉱山プロセス開発に向けたマイクロ波技術プラットフォーム“Green Mining-MX”を用いることで、その後の事業化の足掛かりとなるラボスケールでの鉄鉱石から鉄への還元に成功しました。鉄鉱石や、還元剤として用いられる石炭はマイクロ波を吸収しやすく、マイクロ波で直接加熱をすることで、消費エネルギーやCO2排出量を減少させることが可能です。本技術は水素やバイオマスなどを用いた還元にも適用することができ、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラル実現に向けて有効と考えられます。

本技術の実用化に向けて、2025年までに当社保有の標準ベンチ装置での実証試験を実施、技術確立を目指しており、その後の事業展開を見据えてパートナー企業を広く募ります。また、この技術を製鉄プロセスの上流工程である鉄鉱石のペレタイズプロセス※2などにも応用し、鉄鋼業界全体の環境負荷の低減に貢献します。

当社は、これまでの他領域における技術開発の知見を活かしながら、鉄鋼業界におけるカーボンニュートラル実現に向けて、引き続き取り組んで参ります。


※1 以下WEBサイト参照
IEA “Emissions Measurement and Data Collection for a Net Zero Steel Industry Executive summary”
https://www.iea.org/reports/emissions-measurement-and-data-collection-for-a-net-zero-steel-industry/executive-summary
経済産業省 資源エネルギー庁 「鉄鋼業の脱炭素化に向けた世界の取り組み(前編)〜「グリーンスチール」とは何か?」
https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/green_steel_01.html
※2ペレタイズプロセス
鉄鉱石の中には高炉に入れる前に事前処理をする必要な鉱石があり、その処理工程の一つ。微粉鉱石を石灰石やドロマイトなどと混合し、直径10〜15ミリメートルの球状に成形したのち、 高温で焼き固める。

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