尾野真千子、朝ドラ『カーネーション』父親役・小林薫との再共演に感慨「お互い年を重ねて…」
2025年2月22日(土)10時0分 マイナビニュース
数々のドラマや映画に出演し、昨年放送されたNHKの連続テレビ小説『虎に翼』の語りを務めたことも記憶に新しい尾野真千子。2月22日にNHK BSで放送される特集ドラマ『憶えのない殺人』(21:00〜)では、殺人事件を追う刑事役を演じた。本作の主演は、連続テレビ小説『カーネーション』(2011)で尾野扮するヒロインの父親役を演じた小林薫。尾野にインタビューし、小林との再共演について話を聞いた。
本作は、認知症の元警官・佐治英雄(小林薫)が、殺人事件の真犯人を追う刑事・北嶺亜弓(尾野真千子)にマークされ、自分が犯人かと恐れながらも真相を探ろうとするヒューマン・ミステリー。
出演を決めたのは「小林薫さんがいたから」と尾野は明かす。
「この人と面と向かって芝居をもう1度したいとずっと思っていたので、そのきっかけをいただいた作品だなと思っています。題材的にもしっかりとした、伝えるべき作品だなと。でもやっぱり一番は小林薫という人物がいて、それをきっかけにこの作品に入らせていただきました。お互い年を重ねて、今の自分と今の小林薫さん、今の人たちとというので、いろいろ感慨深いものがありました」
尾野と小林はもともと同じ事務所で、『カーネーション』の前から「共演したい」という思いがあったという。
「当時はもう同じ事務所ではなかったのですが、先代の社長が『真千子と薫さんの共演が見たい』とずっと願っていたんです。私は人に興味を持たない人間なので、この人と一緒に仕事がしたいというのは若い頃からあまりなかったのですが、いろんな共通点から一度はこの人と芝居したいと思っていて。そして、一緒に芝居をして興味を持ち、大好きになったので、次は興味を持った人としてまた一緒にやりたいと思っていました」
念願叶って今回再び共演し、「達成感もありましたし、やっていてすごく楽しかったです」と撮影を振り返る。
「お互いきっと、薫さんも老いを感じていたり、私もキャリアを積んできて何か素敵なものを見せられたらと思っていたので、毎シーン毎シーン、芝居が終わるたびに『あ〜楽しかった!』って思いました」
小林のどんなところに惹かれたのか尋ねると「人としても素敵ですが、やっぱり芝居です。芝居が素敵すぎるので、そこに惹かれます」と回答。久しぶりに共演して、役者としての姿勢にも改めて惹かれたという。
「芝居に対する向き合い方は本当に尊敬します。監督と話されているときや、私と話しているときなどに、こういうことまで考えているんだなと。自分では考えつかないことを思いつかれるので、私もそんな風に年を取っていけるのかなって不安になる部分でもありますが、あんな風に考えられるって素敵だなと思います」
小林と対峙する中で引き出されるものもあるそうで、「彼の芝居によって、自分も変わっていくし、現場も変わっていくので、いっぱい変えてもらっていると思います」と話していた。
■尾野真千子
1981年11月4日生まれ、奈良県出身。1997年、映画『萌の朱雀』で主演デビュー。2007年公開の映画『殯の森』が第60回カンヌ国際映画祭グランプリを獲得し、その後も数々の作品に出演。2011年度後期の連続テレビ小説『カーネーション』でヒロイン・小原糸子を演じ、2024年度前期の連続テレビ小説『虎に翼』では語りを担当。また、2021年公開の主演映画『茜色に焼かれる』で数々の主演女優賞を受賞し、2022年公開の映画『ハケンアニメ!』では第46回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞した。
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