フジ1年目・高崎春アナ、不安を抱えながら福島取材へ「実感が湧かないのでは」
2025年3月9日(日)17時0分 マイナビニュース
フジテレビでは、東日本大震災から14年になる11日(14:45〜)に、ドキュメンタリー番組『わ・す・れ・な・い 〜福島と能登〜 語り継ぐ震災の記憶』を放送する。
未曽有の災害を決して忘れず教訓とするため、14年にわたり放送してきた『わ・す・れ・な・い』シリーズ。昨年に続き、今年も能登半島地震の避難行動を映像と証言から検証する。
今回注目したのは、石川県・珠洲市宝立町で撮影されたドライブレコーダーの映像。そこに映っている人々の証言を多数集めることで、避難行動の一部始終が明らかになった。強烈な揺れによって倒壊した建物に逃げ道をふさがれた男性は、どうやって避難したのか。津波が迫る中、住民同士の助け合いで救われた命、一方でなすすべもなく救えなかった命…地域として災害にどう向き合うのか、数々の課題が浮き彫りになる。
原発事故による帰還困難区域が今も残る福島県。これまで津波の被害はあまり多く取り上げてこられなかった。今回、震災当時、楢葉町に住んでいた男性が撮影した貴重な映像から、10メートルを超える高さの津波の猛威が明らかに。この津波で姉を亡くした男性は、原発事故からの避難を続けながら自身の体験や町の様子を記録。撮影した写真は1万枚以上にのぼる。今もなお、姉の命日に合わせ、津波を撮影した高台から変わりゆく町の記録を続ける理由とは。
また、フジテレビ1年目の高崎春アナウンサーが、福島へ。震災から14年、取材現場も世代交代が進む中、震災当時、小学3年生だった高崎アナは取材を前に「被災地に足を踏み入れても、実感が湧かないのでは」と不安を抱えていた。そんな中、出会ったのが「語り部」活動を続ける同世代の女性。若い世代や、震災を体験していない人々にも「被災地に来て、見たことや聞いたことをぜひ話してほしい」と語る女性の思いとは。
今回フジテレビでは、民放NHK6局防災プロジェクトの一環として、『東北モノローグ』(いとうせいこう著/河出書房新社)をアナウンサーが朗読し、音声コンテンツとしてネット上で展開する。『東北モノローグ』は、著者のいとう氏が 東北を訪ね歩いて記録した、さまざまな声を“聞き書き”としてまとめたもの。この本の中から4章を奥寺健、斉藤舞子、宮司愛海、高崎春の4人のフジテレビアナウンサーが朗読する。
葛藤を感じながら語り部として活動することを決めた高校生や、新聞記者を辞めて復興の仕事に携わる決断をしたボランティアなど、それぞれの思いにアナウンサーの語りの力を吹き込み、より多くの人に伝える。
宮下佐紀子プロデューサーは「これまで映像と証言をもとに“命を守るための行動”を伝え続けてきた『わ・す・れ・な・い』シリーズ。今年も能登半島地震の避難行動を検証しました。去年注目したドライブレコーダーの映像をさらに細かく取材していくと、過酷な状況の中で一瞬の判断や行動が生死を分けたことがわかってきました。また今回の番組では、震災をどう語り継いでいくのかということもテーマにしています。あまり取り上げられることのない福島の津波も、ある男性が撮影した貴重な映像によって、その猛威を知ることができました。男性は今も、町の移り変わりを撮影し続けています。また「語り部」は世代交代が進む中、取材させていただいた若い語り部の方の「誰でも震災を語ってほしい」という言葉が印象に残りました。いとうせいこうさんの『東北モノローグ』は語りの力にあふれた本で、このたびの朗読企画によって、より多くの人にそれが伝わってほしいですし、語り継いでいくことを考えていただくきっかけにもなれば幸いです」とコメントしている。
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