『ウイングマン』Blu-ray発売記念イベント開催、倒れたら立ち上がる特撮ライターが濃厚レポート! - 藤岡真威人「応援の声が強ければ『次の物語』も…」と続編を待望

2025年3月9日(日)23時13分 マイナビニュース


2024年にテレビ東京系で放送された特撮テレビドラマ『ウイングマン』のBlu-ray発売記念イベントが2025年3月9日、東京・丸の内TOEIにて開催され、主演の藤岡真威人ほか主要キャストがステージに結集。迫力の特撮アクションや、ファンタジックで少し切ないストーリーなど、多くの魅力にあふれた本作の撮影の日々をふりかえった。
○父子二代で立った、丸の内TOEIのステージ!
1980年代に「週刊少年ジャンプ」で連載され、大好評を博した桂正和の傑作コミック『ウイングマン』が、40年の時を経て初の「実写ドラマ化」を果たした。2024年に放送された実写版『ウイングマン』は、これまで仮面ライダー、スーパー戦隊、ウルトラマンといった人気シリーズの諸作品を手がけてきた「特撮&アクション映画界の旗手」こと坂本浩一が全話の監督&アクション監督を務め、特撮ファンから期待のこもった熱い視線がそそがれた。
そして、原作者・桂正和が「総合監修」として、コミック独自の世界観やムードを壊すことなく、実写の世界にコンバートするためのアイデアを惜しみなく投入。全10話からなる本作のストーリーは、原作コミックやテレビアニメ『夢戦士ウイングマン』(1984年放送)のエッセンスをも巧みに採り入れつつ、現代を舞台にした最新実写作品としての魅力を強く打ち出している。
2025年3月26日には、東映ビデオからテレビシリーズ全10話を収録したBlu-rayソフト(通常版に加え、ボーナスディスクやブックレットなど各種特典がついた豪華版、そして東映ビデオオンラインショップ限定予約版)が発売される。
イベント登壇者は、主人公・広野健太を演じる藤岡真威人、アオイ役・加藤小夏、布沢久美子役・片田陽依、森本桃子役・上原あまね、福本智夫役・丈太郎の5人。MCを兼任する丈太郎の呼び込みでステージにキャストが現れると、つめかけた満場の客席からあたたかな拍手と声援が飛んだ。
ファンの視線を間近に感じ、さわやかな笑顔を見せる藤岡は「ここにいらっしゃる方々はみんなウイングマンが大好きだと思います。みなさんと一緒にイベントを楽しみたい」と挨拶。これまでにも何度か藤岡は丸の内TOEIのステージに立った経験があるが、当劇場は今年(2025年)7月をもって閉館となる。父・藤岡弘、も2021年に「仮面ライダー THE MOVIE 1972−1988 4KリマスターBOX」(東映ビデオ)記念イベントで同じステージに登壇しており、父子二代でヒーローとしての晴れ舞台を経験できたことの喜びと、思い出の劇場が近々無くなることへの寂しさをうかがわせた。
藤岡によると「アクション演劇部」のメンバーがこうして揃うのは昨年の撮影以来久しぶりだという。片田は「久々ではありましたけど、今日みんなと会った瞬間から、撮影していたころの意識に戻ることができました」と、月日がたってもキャスト同士の関係性は変わっていないことを明かした。上原は「今日という日を楽しみにしすぎて、昨夜は眠れませんでした。もう一度『ウイングマン』を観返していて、最終回でまたウルウル来てしまったので、今日みんなに会ったとき、すごく感動しました」と、切ない余韻を残す本作の最終回を大切に思っていることを打ち明け、キャスト同士の再会を心から喜んだ。
○第3話の生コメンタリーで爆笑発言、連発!
Blu-rayのパッケージをそれぞれが手にしてフォトセッションが行われた後、第3話のスクリーン上映と、キャストによる「生コメンタリー」コーナーへと突入。
5人はスクリーンを見上げつつ、撮影時の苦労話、合間に起きたいろいろな出来事などを回想し、笑顔を交えて語りあった。
第3話の見どころは、ポドリムスから来た強敵に対抗するべく、健太がひそかにウイングマンの強化案を「ドリムノート」に描いており、それが「ウイングガーダー」として実体化するシーン。「ウイングマン、ガーダーシルエット!」という健太のセリフを、ステージ上の藤岡が「生アフレコ」して、客席のファンをどよめかせた。パワーアップを強調するため、藤岡は「パンチが重たくなっているのを表現するため、吐息の出し方も変えている」と発言。丈太郎の「息遣いとかは台本に指示が書いてあるの?」という問いに対しては、「ぜんぜんなくて、自由にやらせてもらいました。ウイングマンのスーツアクターをされている橋渡竜馬さんのアクションに合わせて声を入れるのですが、橋渡さんの演技が巧みで、常に健太っぽさを表現してくれるので、違和感がまったくありませんでした」と、スーツアクションを務める橋渡竜馬とのシンクロ具合が絶妙だったとしみじみ回想した。
宮野真守演じる「北倉先生」のクセの強い演技が出たときは、キャストがそれぞれ強いリアクションを見せていた。特に、北倉が健太の前で指を一本立てて「認知革命!」と異様なテンションで叫ぶシーンが印象的だったようで、藤岡は「このとき、笑いをこらえるのに必死でした。坂本監督がこだわって、宮野さんのアングルを変えて何回も撮るので、その都度画面に入っている僕は笑いだすのを懸命に抑えています(笑)」と、宮野の熱演の陰で意外な苦労をしていたことを打ち明けた。
続いては「思い出アルバムトーク」と題して、アクション演劇部を立ち上げた当初、部員全員で撮った集合写真を題材に、トークが進められた。
藤岡は写真について「健太はヒーロー大好きなので、いかにもヒーロー風のポーズを取ってるんですけど、まわりの部員は普通に立っていて、健太との温度差がすごい。そんな中でアオイさんだけは、(ポドリムス人なので)写真を撮った経験がないから、健太に言われるままポーズを取っている(笑)」と、集合写真の撮影時の各キャラクターの状況を詳しく説明し、このシーンへの思い入れの強さを感じさせた。
片田は上原の「脚」に着目し「ちゃんと自分の顔が写るように、桃子ちゃんががんばって背伸びしているところがかわいい」と、身長差を精一杯埋めようと頑張っていた桃子=上原のけなげな姿を絶賛した。
健太のよき相棒として活躍したアオイ=加藤の第一印象を訊かれた藤岡は「お昼になったとき、自前で熱々のカレーをポットに入れて持ってきていた印象が強烈でした」と、カレーの思い出を語った。これを受けて加藤は「そのとき食べたいと思ったものを食べる人なので」と返答し、食事に対する強いこだわりがあることを示した。
丈太郎は撮影中の片田の印象として「いつも虫を探している」と、片田の「虫好き」な一面を明かした。片田は「ロケ先が自然にあふれていて、これは今の時期しか見られないなと思い、コンパクトデジカメで小さな虫を見つけて撮影していました」と、大好きな昆虫への思いを熱く語った。
続いて丈太郎は上原に話題をふり「桃子といえば、劇中で特撮ヒーローのことについて早口でまくしたてるセリフが印象的だったよね。いまここで聞きたいな!」と、劇中のセリフ再現を強引にリクエスト。
上原は動じずに「今でもセリフ覚えていますから!」と頼もしく応え、藤岡と短い打ち合わせをした後「たとえば、ギャバンの蒸着みたいなワードの一番なんて、決められないと思うんです。赤射、焼結、重甲、超重甲、どれがカッコいいかって言われても困りますよね。シャンゼリオンの燦然も好きですし、あとは……」とまくしたて、健太(藤岡)から「桃子ちゃん!」と感心されるまでのやりとりを見事に再現してみせた。この様子を見た藤岡は「桃子ちゃんは、現場で一回もこのセリフを噛んだことがなかったんだよね」と上原のセリフ回しの見事さをほめたたえた。
○藤岡真威人、ウイングマンに「チェイング!」
楽しいイベントも終盤にさしかかり、丈太郎から藤岡に「チェイング(変身)」が見たい! という要望が出された。藤岡は「撮影のとき以来だからなあ」とはにかみつつ、桃子(上原)の指導を受けるという劇中のシーンも再現しながらウイングマンへの変身と名乗りの一連を軽く練習。そして、気合たっぷりに「チェイング!」と「悪!裂!ウイングマン!!」のセリフとポーズを決めてみせた。
渾身の決めポーズの直後、ファンからの大きな拍手をもらってすがすがしい表情になった藤岡は「力を込めて熱くなりましたが、気持ちよかったです!」と、久々に変身&名乗りポーズを取った感想を述べた。
最後にマイクを手にした藤岡は「すべてのコーナーにおいて、すごく大きな反応をいただき、僕たちもたくさん楽しむことができました。『ウイングマン』のテレビ放送は終わりましたが、これからBlu-rayも発売されますので、引き続き応援していただければと思います。応援の声がもっと強く届いたならば、もしかして『ウイングマン』の物語が『先』に続いていくかもしれません! これからも応援のほど、よろしくお願いいたします!」と万感の思いを込めて挨拶。ファンの熱い視線を受けながらイベントを締めくくった。
Blu-ray『ウイングマン』は「通常版」「豪華版」「東映ビデオオンラインショップ限定予約版」の3種類が発売される。詳細は東映ビデオの公式サイトを参照していただきたい。
(C) 桂正和/集英社・「ウイングマン」製作委員会
秋田英夫 あきたひでお 主に特撮ヒーロー作品や怪獣映画を扱う雑誌・書籍でインタビュー取材・解説記事などを執筆。これまでの仕事は『宇宙刑事大全』『大人のウルトラマンシリーズ大図鑑』『ゴジラの常識』『仮面ライダー昭和最強伝説』『日本特撮技術大全』『東映スーパー戦隊大全』『上原正三シナリオ選集』『DVDバトルフィーバーJ(解説書)』ほか多数。 この著者の記事一覧はこちら

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