被告人ならぬ被告犬の彼は“無罪”か“有罪”か? カンヌ映画祭”パルム・ドッグ賞”受賞『犬の裁判』予告&場面写真解禁
2025年3月13日(木)17時0分 クランクイン!
第77回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門へ正式出品され、パルム・ドッグ賞を受賞し話題となった本作は、実話からインスパイアされた、にぎやかでコミカルなフランス法廷コメディ。エスプリの効いた笑いと感動を織り交ぜながら、社会の不条理を滑稽に描き出す。
負け裁判ばかりで事務所から解雇寸前のスイスに暮らす弁護士アヴリルは、次の事件では必ず勝利を勝ち取ろうと決意していた。そんなときある男から、かけがえのない伴侶で絶望的な状況にある犬のコスモスの弁護を依頼される。コスモスが3人の人間に噛みついたというのだ。アヴリルは仕方なく、またも勝ち目のない犬を弁護することに。法律で犬は“物”と見なされ、飼い主へ罰金1万フランとコスモスの安楽死を言い渡される。そんな中、犬が“物”ではないというアヴリルの主張が認められ、前代未聞の犬が被告となった「犬の裁判」が始まり…。
監督は、俳優・ダンサー・作家・演劇監督として多彩な才能を発揮しているレティシア・ドッシュ。第70回カンヌ国際映画祭カメラドール受賞作『若い女』で、2018年のリュミエール賞最有望女優賞に輝き、近年ではジュスト・フィリッポ監督作『ACIDE/アシッド』や、2024年フランスで公開されたアルノー&ジャン=マリー・ラリュー監督作『Le Roman de Jim(原題)』など数々の話題作に出演している。本作では主人公の弁護士アヴリルを演じながら、初めて監督を務める。
そしてコスモスを演じ、カンヌ国際映画祭の最高賞パルム・ドック賞を見事受賞したのは、アクロバティックなサーカス犬のコディ。本作ではサーカス犬としてではなく、内面や感情を表現した名演技を見せている。第76回カンヌ国際映画祭でパルム・ドック賞を受賞した『落下の解剖学』の俳優犬メッシに続き、観客らのハートをわしづかみにした。
予告編は、負け裁判ばかりの絶不調弁護士アヴリル(レティシア)が、またも勝ち目のない依頼を泣く泣く請け負うことになるコミカルなシーンで始まる。前代未聞の法廷劇が始まり、絶望的な状況に置かれた犬のコスモスの主人ダリウシュ(フランソワ・ダミアン/『エール!』)や、動物行動学者マルク(ジャン=パスカル・ザディ/『シャーク・ド・フランス』)、原告側の弁護士(アンヌ・ドルヴァル/『Mommy/マミー』)らが真剣に繰り広げる激論バトルが笑いを誘う。
また、被告犬として証言台に立つコスモスを演じたサーカス犬のコディが、無垢な演技で無罪を主張している、パルム・ドック賞の受賞もうなずける稀代の名演技シーンも。終盤では「それぞれの個性が尊重される世界に住むために、未来の扉を開けましょう」「犬は人とは違うと認めてください」というアブリルの印象的なセリフが流れる。人間と動物との関係に疑問を投げかける実話に基づいた法廷劇の行方は、果たしてどんな結末を迎えるのか。
新場面写真6点には、弁護士アヴリル(レティシア)とコスモス(コディ)が、「私はコスモス」と書かれている壁の前を散歩したり、芝生の上でたわむれたりと、被告と弁護士という立場で絆を深め合う印象的なショットが。そのほか、コスモスの伴侶であり主人のダリウシュ(フランソワ)が唐突にアヴリルの事務所に押し掛け、弁護依頼を持ちかける冒頭のコミカルなショット、原告側の弁護士(アンヌ)が強烈な個性を発揮する姿、アヴリルと彼女のアパートの隣室に住む訳あり少年のツーショット、法服を身にまとったアヴリルが同僚の弁護士(ピエール・ドラドンシャン/『私はモーリーン・カーニー 正義を殺すのは誰?』)と並ぶショットを収めている。
映画『犬の裁判』は、5月30日よりシネスイッチ銀座、UPLINK吉祥寺ほかにて全国順次公開。