「借金でも作ったの?」「今後関わらないでくれ」…芸能界を去り、セクシー女優デビューした小湊よつ葉(28)が受けた周囲からの“辛辣すぎる反応”
2025年4月19日(土)7時10分 文春オンライン
〈 「エクセルも知らないの?」セクシー女優・小湊よつ葉(28)が明かす“会社員時代”に直面した“厳しい現実” 〉から続く
レコード大賞・最優秀新人賞を受賞するほどの有名ボーカル&ダンスグループが解散となり、会社員として生きていく道を選んだ小湊よつ葉。現在の彼女はセクシー女優として華々しい活躍を見せているが、どのような思いで転身を決意したのか。知られざる本心に迫る。

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家庭の事情になってしまうんですけど…
──充実した会社員生活だった印象ですが、2年ほどで辞められて、今度はアダルトビデオの世界に転身します。そのきっかけはなんだったのでしょうか?
小湊よつ葉(以下、小湊) きっかけは一つではなく、全てが理由なのだと思います。グループの解散コンサートができずに、ファンの方へ文面だけで終わらせてしまったことは、ずっと心に残っていました。実は、辞めてからも業界からお声がけはいただいていたんです。
それと家庭の事情になってしまうんですけども、2年間会社員をやりながら、私が家族を支えている部分が大きかった。でも、その収入だけじゃ難しいところがあり、副業もしくは転職を考える必要がありました。そのタイミングで、何か引き寄せたのでしょうね。AVへの出演のお話は、デビューの1年前からあったんです。他にもご縁があって舞台関係、グラビアなどのお話をいただきました。
私の持っている強みは、やはり表に出ることなのかなとも思えました。でも、グループを解散したときに、その世界には「さよなら」したつもりだった。ミュージカルやお芝居なら、なぜあのときに続けなかったの?って自分に問いただして。周囲からも、「結局この世界にいたかったんだ」って思われるのは嫌でした。だったら、今までやってこなかったことでないと示しがつかない。
26歳を前にして、決意が伝わるものがいい。殻を破って、後戻りできない状況にしたかったんです、きっと……。自分を奮い立たせる何かが必要だと思って、AVの世界を選びました。
人生の確変、AVの世界へ
──それまでアダルトビデオについて知識があったのですか。
小湊 何も知りませんでした、と言うほど清純派ではなくて(笑)。女性がマッサージされているAVをよく観ていました。オイルを塗られた女性が気持ちよくしている姿を見ながら、休みの日にこっそり自慰行為をするのが、私の中ではなくてはならない時間でした。
獣のような別の自分になる感覚が面白く、満足感もあり、ストレス発散になっていたのだと思います。以前なら人に言えることじゃないし、まさか仕事に繋がるなんて考えていなかったから、一生隠していくつもりでした。
──実際にその映像の中に自分が入ることは、勇気が必要だったと思います。
小湊 世間からのイメージはわかっていたし、賛否両論があるのは自覚していたので、1年ちょっと考えながら会社員を続けていました。
でも考えていても毎日は過ぎていくし、年齢が上がっていくのも感じていて。踏み出した後のことを想像すると、自分がワクワクしているのに気づきました。
自信がないままの状態から、抜け出せる方法をずっと探していたのかもしれません。いろいろ言われるだろうけども、結局決めるのは自分だと思って、面接をお願いしたんです。表に出るチャレンジは、これを最後にするつもりでした。
──会社を辞めることへの未練はありませんでしたか?
小湊 みなさん、本当に良い方ばかりで、仕事もやり甲斐があって、自分を成長させてくれた職場だったので、もちろん未練はありました。
ご迷惑がかからないように、中途半端に関わることはやめていますが、今でも一緒に働いていた方のお顔を思い出すことがあります。
──自分自身の変化は感じましたか?
小湊 AV女優になるって決めてから、秘密にしてきたことを公然と言えるようになったし、自信がなかった自分の殻が破れた気がしました。恥ずかしいことだって言っていいんだと思ったら、コンプレックスだったことに向き合えたというか。
太りやすいとか、メンタルが弱いとか、隠さなきゃいけないって思ってきたことが、それも全部自分だし、それで成り立っているって思えるようになった。服脱いで裸を見せているのに、もう隠すものないじゃないですか。やっと自分を認められるようになりました。
男性だと思って付き合っていた初体験の相手が…
──女性の裸を見るのが好きな印象です。
小湊 大好きですね。ずっと美しいなって、絵を見るような感覚でセクシー女優さんたちを見ていました。こんなことができる綺麗な人たちは、きっと怖いものなんてないし、なんでも出来る精神力を持っているんだろうなという憧れの目線でした。でも、電車の中とかでも女性を見てしまうし、自分が変態なんじゃないかって、心配もありました(笑)。
普通に男性と恋愛できるんですけどね。ただ男性か女性かは、あまり気にしていない。性別に関係なく、美しいものに魅かれる感じです。実は、初体験の相手は女性だったんです。というか、後になってその人が女性だということを知ったというか。
──えっ?? どういうことでしょうか?
小湊 男性だと思って付き合っていたのですけど、なんか女性っぽい感じのところがありました。でもそこは触れずにいたんです。初めてのときは高校2年のときで、私は経験がないから気づかなかったんですよ。当時は無知すぎて、何が本物か知らないから(笑)。何か付けていたのか、手術していたのか。それについての真相は聞いていないです。あとでその人が女性だと気づいたときは衝撃だったんですけども。
──いつわかったのですか?
小湊 一度本人に聞いたことがあって、めちゃくちゃ怒られました。彼女からしたら聞かれたくなかったと思います。私も告白して欲しかったとか、そういう気持ちはなかった。どっちでもよかったんです。そこにこだわりはなかったから。高校が女子校で、周りで女の子同士が普通に付き合ったりしていたので、抵抗がなかったんでしょうね。
──撮影の現場で戸惑うことはなかったですか?
小湊 感じることは恥ずかしいという意識があったので、なるべく隠そうと抑えてしまっていました。イッたことがなかったので、イクという感覚がわからなかったのが一番の戸惑いでした。それに、お口でしたことも、ほとんどなかったんですよ。
いざ作品を見ると、想像していたよりも全然エロティックじゃない……。AVで観てきた女優さんたちが、全身で体当たりの演技をしているのとは程遠い姿で、自分で「なんだこれは!」と絶望した記憶があります。
──発売後の反響についてお聞かせください。
「今後関わらないでくれ」
小湊 初めは中傷の言葉が多かったです。酷い言葉過ぎて、逆に覚えていません。グループ時代の他のメンバー推しのファンから、その子と「今後関わらないでくれ」というDMも届きました。
当時はどんな言葉にも、何も感じていませんでした。なぜなら、まだ活動を始めて間もなくて、何も結果を出せていないのだから、当たり前だと思っていたからです。
それと、SNSで叩かれたり中傷されるのは、中学生の頃から活動してきて当たり前のようにありましたから。何をしても中傷する人はしてくるんです。
──AVの世界に飛び込んで、得られたものはなんでしょうか。
小湊 デビュー作が2022年度のAV売り上げ1位という結果を聞いたとき、達成感はありました。でも自分ではセクシー女優として胸を張れる作品にはできなかったので、早くそれを超える作品を出したいと思っています。
私自身の変化としては、母にとって頼もしい存在になれたことです。泣きべそかいて、毎日帰りたいと言っていたあの頃から、少し成長できたと感じています。先日帰省したときに、ちょっとした親孝行をしたのですが、母は泣いて喜んでくれました。
今は、いろんなジャンルのお仕事をさせていただいて、ワンマンライブや演劇の舞台など、母に楽しみを作ってあげられることが嬉しいです。
──逆に失ったものはありましたか。
小湊 それは、多いです。グループ時代に応援してくださったファン、友だち、そして私の中の純粋に誰かを好きになる気持ちです。
人間関係において、仲良くしたいと思った人と一緒にいたり、話しかけるようなことを安易にしなくなりました。AVに対する世間からのイメージをわかっているから、相手の立場を思いやって、その人の価値観を理解してから接することを心がけるようになりました。
──周囲の方々はどのようなリアクションだったのでしょうか。
「なんか納得しちゃった」
小湊 デビュー作が出たときは、周りはみんなビックリして、「何があったの?」とか「借金でも作ったの?」とか色々な反応がありました。グループのメンバーたちもみんな心配して連絡をくれました。でも話していると「前からちょっと不思議な感性があったから、なんか納得しちゃった」と言われて。私をよく知ってくれている人たちは、割と肯定的に受け止めてくれた感じです。今も作品を見たよとか言ってくれます。
──セクシー女優として、これからの気持ちを聞かせてください。
小湊 私はこの仕事を始めたときは、前向きなつもりでいても、結局自分に自信がないからこういう決断をしたんじゃないかとか思うこともありました。でも、誰もが選ぶ仕事ではないし、世間の目も理解した上で決心したのだから、その気持ちはすごいと認めてあげるべきだなって。
自分の良いところを見せようと思いがちだけど、恥ずかしい気持ちや心の弱い部分も、誰かの力になれると感じました。
まだAV女優は社会的に低くみられて、流されて生きているように思われていますけど、実はすごい強さを持った存在だと証明できるものがあるんじゃないでしょうか。
過去の自分に申し訳なくなったり、可哀想に感じることがあっても、それを否定せずに認めてあげられることが、今の自分への一番のプレゼントだと思っています。
(野澤 亘伸)