杉本和陽五段 永瀬拓矢九段を下し、藤井聡太棋聖への挑戦権を獲得
2025年4月25日(金)20時25分 スポーツニッポン
将棋の第96期棋聖戦挑戦者決定戦は25日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、先手の杉本和陽五段(33)が永瀬拓矢九段(32)を165手で下し、藤井聡太棋聖(22)=王将含む7冠=への挑戦権を獲得した。
17年にプロ入りした杉本は初のタイトル戦出場に「棋士になったときは自分がタイトル戦に出るのは想像しがたい部分がかなりあったのですが、腐らずやってきてよかったと思います」と感激の面持ちだった。
5番勝負は6月3日、栃木県日光市で開幕する。
永瀬九段は1〜3月の王将戦、現在進行中の名人戦に続く今年3度目のタイトル戦出場はならなかった。
タイトル戦初出場を決めた杉本和・新六段との一問一答は以下の通り。
——初タイトル戦挑戦を決めたという気持ちを。
杉本 棋士になってタイトル戦に出たいという気持ちはもちろん持ってたんですけれども、身近に感じる事すらできない現状がありました。ちょっと信じられないようなところがあります。
——6月からの番勝負への意気込みは。
杉本 今日の勝利もちょっと泥臭くもあった。もう少し精度も上げていかなければいけないとは思いますがも、派手なものは何もないので、何かちょっと泥臭さとか、そういったところも見ていただけたらなと思います。
——藤井棋聖との戦い方は?
杉本 せっかくなので藤井先生のタイトル戦とはちょっと毛色が違ったような、作戦を散らして臨みたいなとは思ってます。
——師匠が永世棋聖を持たれているる故米長先生。縁を何か感じる?
杉本 何か縁があるのかなあとは思いますけれども、縁を感じるというところまではいってないです。師匠のお墓参りもちょっとサボってるのでこれを機会にまた行こうかなと思います。
——棋聖戦の賞金が4000万円に上がると発表されたばかり。挑戦を控えた身としてどのように感じた?
杉本 まさか自分が当事者になるとは思わなかった。自分が当事者っていうのがちょっと新鮮な感じはしました。今日の将棋も確かに金銭的な事とかを意識なるべくしないようにはしてたんですけど(笑い)。今日は落ち着いて指せてたかなと思います。