フジ、アナウンサー部署の改革に着手 “制作者であり出演者”の特殊性…清水社長「位置付けの再定義を」

2025年4月30日(水)20時6分 マイナビニュース


フジテレビの清水賢治社長は30日、報道陣の取材に応じ、同局の再生・改革に向けた具体的な強化策として挙げた「アナウンス室の独立」について、説明を行った。
○アナウンス室を編成局から独立・権限強化
フジテレビの一連の問題を受けた第三者委員会の報告書では、アナウンサーの立場の脆弱性から、一般社員とは性質の異なるリスクが認識され、これを管理・統制する体制の構築が必要であると指摘した。
現在、フジテレビのアナウンサーが所属するアナウンス室は編成局の傘下にあるが、新組織では独立。番組への起用方法についても、アナウンス室の権限を強化し、人権に配慮したマネジメントを目指すほか、アナウンス室が主体となった育成プログラムに基づく起用を目指すため、マネジメントフローを見直す。このため、番組との調整役を果たす「コーディネーター」を新設する方針だ。
清水社長は「例えば、制作側から“この人を起用したい”と言われても、アナウンス室で“この人はこういう方針で育てるので”と断るといったようなことが行われるのではないかと想像しています」と運用のイメージを語る。
○アナウンサーは「極めて多面的な存在」
一方でアナウンサーは、番組において「制作者の一部」として、制作スタッフと出演者をつなぐ役割を担ってきた。TBSのバラエティ番組『ラヴィット!』MCの田村真子アナウンサーは、民放キー局5社による共創イベント「テレビカンファレンス2023」(23年11月)で、「アナウンサーという立場は、画面に出ているタレントさんに近いけれども、制作サイドでもあるという中間の立場だと思っているんです」と自身の意識を語っている。
この考え方について、清水社長は「アナウンサーの位置付けというのは、一般社員でもありながら出演者でもあり、そしてある時は番組のスタッフの一員でもあるという、極めて多面的な存在だったと思いますが、その位置付けが、今回のような難しい局面を迎えたと思っております」との認識を提示。
その上で、「出演者であるという部分と、一般社員である部分で、どういうふうに振る舞えばいいのか、どのように位置付ければいいのか、ということをしっかりと再定義しないといけない。この再定義をどこまで具体的に明確化するかというのは、これからの作業になります」と語った。
かつて、女性アナウンサーたちに特化したバラエティ特番をゴールデンタイムで放送するなど、“女子アナブーム”をけん引してきたフジテレビ。今回の問題を契機に、そのあり方が大きく変化することになる。
また民放キー局では、フジテレビ以外でも編成局(※コンテンツ戦略局などに改称している局もある)傘下にアナウンサーの所属部署が置かれており、この組織体制を見直す動きが各局に広がる可能性もありそうだ。

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