七代目三遊亭円楽 31日に父・好楽、息子2人と親子3世代寄席 次は「笑点」で3世代落語を
2025年5月5日(月)4時50分 スポーツニッポン
落語家の七代目三遊亭円楽(47)が、知名度アップに向けて精力的に動き始めている。31日に東京・新宿末広亭での襲名披露興行で、長男の三遊亭さと坊(11)、次男の三遊亭こじ坊(9)と寄席初共演を果たす。円楽の父の三遊亭好楽(78)も出演し、史上初めて親子3世代で定席の高座に上がる。こうした活動で話題を集め、日本テレビ「笑点」のレギュラー入りをつかみ取るという算段だ。
襲名披露興行で多忙な日々を送る円楽は、2人の息子とインタビュー部屋に現れた。2月に24年間名乗った王楽から円楽の名前を襲名。「今はご祝儀で反応が温かいお客さんが多いですが、襲名後の二の矢、三の矢を考えないといけません。継がせてもらった以上、“七代目だけ駄目だったね”と言われないよう、新しい話題をどんどんつくっていかないと」と意気込んでいる。
まず見据えるのが、日本テレビ「笑点」での3世代落語披露だ。レギュラー出演する好楽は来年、傘寿と入門60周年を迎える。笑点も放送60周年の節目でタイミングはバッチリ。将来的なレギュラー出演も狙う円楽は「実力、人気も含めて僕次第です。そこに呼ばれるような動きをしないといけないですね」と力を込めた。
そのために必要となるのが知名度だ。師匠の五代目円楽さんは、自身のライバルに美空ひばりさんや高倉健さんを挙げていた。落語界だけではなく、外のスターと競って地位を確立していく。そうした“円楽イズム”は受け継いでいる。
「他業界の大物をライバルだと思ってやらないと、(名前が)小さくなってしまう」。ライバルに指名したのは、同じく大名跡を襲名した歌舞伎の八代目尾上菊五郎、尾上菊之助親子。自身は菊五郎と同い年で、さと坊は菊之助と同い年だ。「親子で週刊誌の表紙を飾っているのをコンビニで見て悔しかった。負けられないですね」と闘志を燃やす。
「“円楽でこのレベルでいいのかな”と考えがよぎる」と名跡の重さは自覚している。それを補うのが父親譲りの人当たりの良さだ。「僕は才能がない代わりに人に恵まれた」。今後も周りを巻き込みながら、大きなムーブメントを仕掛けたい。それは団体の垣根を越えた一大落語イベント「博多・天神落語まつり」を創設した六代目円楽さんとも共通する部分だ。偉大な2人の円楽の生きざまを継承しながら、落語界をもり立てていく。(前田 拓磨)
≪「大銀座落語祭」復活構想≫落語界を盛り上げる構想で円楽が思い描くのが「大銀座落語祭」の復活だ。立川志の輔(71)らが主催し、2004年から08年まで開催。08年には新橋演舞場など東京・銀座周辺の13会場で開催され、5日間で計5万5000人を動員した。「講談の神田伯山、浪曲の玉川太福君とかも呼んで、ジャンルを超えた祭りみたいにしていきたい」と円楽。そんな父にこじ坊は「歴代の円楽の中で一番になってほしい」とエール。さと坊は「立派にまともであってほしい」と注文をつけた。