いしだあゆみさん“追悼上映会” 出演した「駅 STATION」降旗監督夫人「本当に素晴らしい」

2025年5月6日(火)21時58分 スポーツニッポン

 東京・銀座の映画館「丸の内TOEI」で開催中の「昭和100年映画祭 あの感動をもう一度」で6日、高倉健さん主演の「駅 STATION」(監督降旗康男)が上映された。3月11日に甲状腺機能低下症のため76歳で亡くなった、いしだあゆみさんが健さん演じる警察官の妻役で出演しており、期せずして追悼の上映会となった。

 冒頭、北海道銭函駅での健さんとの別れのシーン。列車のドアに立って泣き笑いしながら敬礼をするいしださんのショットは時間にして5分足らずだったが、1982年日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞するなど、映画史に残る名場面としてファンの胸に刻まれている。

 映画の公式パンフレットによれば、撮影が終わった瞬間に出演者やスタッフから期せずして拍手が起こり、健さんも「いしださんがいい芝居をしてくれましたねー」とねぎらいの言葉を送った。同作品で初めて顔を合わせた2人は4年後、85年公開の「夜叉」で再度夫婦役で共演している。

 ゴールデンウイークの最終日、雨がそぼふる肌寒い中、10代の学生から80代まで幅広い年齢層が詰めかけた。都内在住の40代女性は「いしだあゆみさんの出る映画やドラマはよく見ていましたので、懐かしく感じました。演技の奥深さが、少しの登場場面でも、印象が強く残りました」とコメント。

 60代の男性は「冒頭から泣いてしまいました。泣きながら無理くり笑って敬礼してみせる。あゆみさん最高のシーンですね。歌手としてもデビューの頃から知っていますし、CDも持ってます。気だるい力を抜いた歌唱法は唯一無二のもので大好きです」としのんだ。

 劇場にはメガホンを取った降旗監督夫人の典子さんら家族の姿も見えた。典子さんは「久しぶりに見たけれど本当に素晴らしい映画でした。監督の“あゆみちゃん”という言葉が耳に残っているほど、可愛がっていました。スクリーンでこうやって見られることはとてもうれしいです」と語った。

 監督は2019年5月20日に84歳で亡くなったが、その3カ月後の同年8月に降旗組スタッフが開いたお別れの会にもにいしださんは参加。ひとり佇んでいた彼女にスタッフが「お座りください」と椅子を勧めても、立ったまま背筋を伸ばし、監督の遺影を見つめて追悼していた姿を覚えているスタッフは少なくない。

 3月28日に開幕し、「八甲田山」「黒部の太陽」「天国と地獄」「羅生門」「二百三高地」「火垂るの墓」「新幹線大爆破」など不朽の名作42本が上映されて話題を呼んだ昭和100年映画祭。8日に健さんの主演作「昭和残侠伝」「南極物語」で幕を閉じる。

スポーツニッポン

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