『PJ~航空救難団~』に関心、『めおと日和』個人全体トップに=週間テレビ番組注目度ランキング
2025年5月10日(土)6時0分 マイナビニュース
●連休前後の在宅率上昇が押し上げる
視聴データを独自に取得・分析するREVISIOでは、テレビ画面に視線を向けていた人の割合がわかる「注目度」の週間番組ランキング(4月28日〜5月4日)を発表した。
○「にやにやが止まらない」「愛おしい2人にキュン」
4月最終週のランキングは、ドラマ勢の勢いが一段と加速した。個人全体では上位7位を連続ドラマが独占し、春クールの物語がいよいよ視聴者を本格的に引き込み始めた形だ。
中でも『波うららかに、めおと日和』(フジテレビ)は先週の2位から1位へ浮上。コア視聴層・個人全体ともに数値を伸ばし、「にやにやが止まらない」「愛おしい2人にキュン」といった声が今週も放送後に多く見られた。恋愛ドラマのトレンドが複雑化する中、ドロドロとした恋愛劇に疲れた視聴者が、昭和舞台の純度の高い新婚物語に癒やしを求めていることがうかがえる。
一方、コア視聴層7位に入ったのは、『金曜ロードショー』(日本テレビ)初放送の『君たちはどう生きるか』。暦上は平日夜の編成ながら、最新ジブリ作品という話題性で高い注目度を記録した。
劇場で見逃していた層やテレビでの“初見”にこだわるファンが集中した形で、国内外の映画賞を獲得し世界の興行収入でジブリ最高の成績を残した同作品への視聴者の興味を、改めて印象づけている。
長期連休前後の在宅率上昇が、ドラマと映画双方の数字を押し上げた週だった。
○過酷な訓練環境に苦しむ姿が強く印象に
個人全体3位(67.4%)、コア視聴層でも4位(64.3%)にランクインしたのは『PJ〜航空救難団〜』(テレビ朝日)。航空自衛隊の救難員、通称「PJ(パラレスキュージャンパー)」を目指す訓練生たちが、過酷な訓練を通じて心身の限界に挑み、成長していく姿を描いた青春群像劇だ。
脚本は高橋泉氏のオリジナルで、人命救助の“最後の砦”とされる精鋭部隊の日常をリアルに描いている。実在の組織をモデルにした訓練描写と人間ドラマが融合し、多くの視聴者の注目を集めている。
第2話では、海上救難を想定したプール訓練が始まり、訓練生の藤木さやか(石井杏奈)が水への恐怖心からパニックに陥る様子が描かれた。かつて水泳で国体に出場した経歴を持ちながらも、過酷な訓練環境に苦しむ姿は、多くの視聴者に強い印象を与えたようだ。
また、同期の沢井仁(神尾楓珠)の励ましに対し、「女性だからって上から目線はやめて」と藤木が反発する場面では、性別にまつわる意識のズレも描かれ、2人の関係に緊張感が走った。
SNSでは「色々と考えさせられるドラマ」「毎回神回です」といった声や、「宇佐美教官が素敵過ぎる」「泣きすぎました!!」という感想も見られ、内野聖陽演じる教官の人間味あふれる指導も注目を集めている。
訓練生たちが限界に挑みながら、どのように変わっていくのか。今後の展開にも関心が集まりそうだ。
●知的好奇心を引き付ける『がっちりマンデー!!』
日曜朝の定番『がっちりマンデー!!』(TBS)は、大型連休中の放送回でもコア視聴層で5位、注目度64.1%を記録し、好調を維持した。
今回の特集テーマは「あなたの知らない…業務用ヒット食べ物」。普段はあまり注目されない食品業界の裏方企業に焦点を当て、安定した注目率を記録した。
放送では、レトルトカレーのOEM製造で国内4位のシェアを持つ「にしき食品」に密着。成城石井や無印良品のレトルトカレーを手がける同社の開発現場を紹介し、1日20品以上、年間で4,800品目以上を試作するフットワークの軽さが注目された。開発部長・寺島純一さんの“絶対カレー感”と称される高い味覚力も紹介され、視聴者の関心を集めた。
さらに、全国のホテルビュッフェで提供されるケーキを製造する企業、日本中のパイ生地を供給する冷凍生地メーカーなど、業務用食品の裏側を支える企業が次々と登場。専門性の高い情報が分かりやすく伝えられた構成も好評だった。
視聴者の知的好奇心を引きつける番組内容が、シリーズを通じて高い注目度を保ち続けている理由のひとつといえそうだ。
REVISIO 独自開発した人体認識センサー搭載の調査機器を一般家庭のテレビに設置し、「テレビの前にいる人は誰で、その人が画面をきちんと見ているか」がわかる視聴データを取得。広告主・広告会社・放送局など国内累計200社以上のクライアントに視聴分析サービスを提供している。本記事で使用した指標「注目度」は、テレビの前にいる人のうち、画面に視線を向けていた人の割合を表したもので、シーンにくぎづけになっている度合いを示す。 この著者の記事一覧はこちら