山田洋次氏 渥美清さん以来の喜劇役者との共演に「セリフが聞こえなくなるくらいの笑いを」

2025年5月13日(火)14時1分 スポーツニッポン

 映画監督の山田洋次氏(93)が13日、都内で監修と脚本を務める舞台「裏長屋騒動記」の製作発表会見に出席した。

 山田氏が少年時代に憧れていた「前進座」のため、古典落語「らくだ」と「井戸の茶碗」を基に「本当に笑える喜劇を作ろう」と脚本を書き下ろした作品。江戸のある裏長屋で起こる大騒動の様子が描かれている。

 2017年に歌舞伎をレパートリーとする「前進座」が初演。誰もが楽しめる歌舞伎世話物として大反響を集めた。

 今回は配役を一新し、同劇団が8年ぶりに再演する。

 2つの落語作品をつなげる大役・屑屋久六を演じる、柳生啓介(64)は「私はことしで入座40年目。憧れの山田洋次監督の作品で、このような大役をいただくとは夢にも思っておりませんでした。ただ夢では時々見ておりまして、帝国劇場のようなところで会見をして監督の横で、記者から『いかがですか?』と聞かれたら、カラスが『カー』と鳴いて起きるというのが常でした。夢ならもう、夢のうちに夢中になって演じたい。私の存在全てをこの作品に注ぎ込みたい」と意気込んだ。

 山田氏は「落語は人間を正確にデッサンする。精密にデッサンする芸ですよね」と前置きし「伝統的な歌舞伎の演じ方と、同時にリアリズムの演劇を結びつけた。両者を結びつけないと笑える舞台にはならない。大笑いが起きて、役者さんのセリフが聞こえないというような舞台を作り上げたい」と思いを込めた。

 松竹新喜劇の曽我廼家寛太郎(66)が客演として初出演する。

 曽我廼家に「らくだの馬」役を依頼をした理由について、山田氏は「僕は渥美清という天才的なコメディアンと仕事をしたから、この舞台を楽しくさせるためにはコメディアンが必要だとずっと思っていました。寛太郎さんは松竹の中でも突出した才能の持ち主。大阪から逃げてきた怪しげな男を演じてもらいます。食い物から何から、江戸の人間を片っ端から悪口を言うので、セリフを考える段階でも寛太郎さんにどうしたら面白くなるかを聞きながらシナリオを作りました」とエピソードを明かしていた。

 東京・池袋サンシャイン劇場で、5月30日から、6月8日まで上演される。

スポーツニッポン

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