吉永小百合 人生初ピアス 映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」登山家・田部井淳子さん役で遺品着用

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　吉永小百合（80）の主演映画「てっぺんの向こうにあなたがいる」（監督阪本順治）の完成報告会見が13日、都内ホテルで開かれた。女性で初めてエベレスト登頂に成功した登山家、田部井淳子さんの実話を基にした物語。ピアスをしていた田部井さんに近づくため吉永は「これは開けるしかない！」と、人生初めて耳たぶに穴を開けて撮影に臨んだ。

　気合のピアスだ。124本目の出演作にして初の登山家役。16年10月に77歳で永眠した田部井さんの遺品の中にピアスがあるのを知った吉永は覚悟を決めた。体力づくりのため水泳を取り入れているのは有名な話だが「皮膚科の先生に“1カ月は泳いじゃいけない”と言われましたが、そこは我慢」と自らに言い聞かせ「この年齢になって時代劇のオファーもないだろうと思い、没頭するため開けました」と明かした。その耳には田部井さんの家族から贈られたピアスが光っていた。

　余命宣告を受けながらも山登りを続けた田部井さんの生涯を家族愛も盛り込んで描いた一編。12年にラジオ番組で本人と会い「なんて素敵な方。この役に出合えて幸せでした」と語った。

　吉永演じる多部純子に寄り添う夫を演じた佐藤浩市（64）は「支えているようで支えられている。2人の関係がうまくできていればうれしい」とアピール。純子の親友を演じた天海祐希（57）は「バイタリティーがあって吉永さんにぴったりの役。それをそばで見られて幸せでした」と笑顔を見せた。

　田部井さんがトレーニングしていた埼玉・日和田山でも撮影が行われ、吉永は「報告のためにまた山に行きたい」と話した。自身の俳優人生を登山に例えると「8合目くらいでしょうか。頂上まで行けるかどうか分かりませんが、一歩ずつ歩いていけたら」と前を向いた。今年は田部井さんのエベレスト登頂から50周年の節目。10月31日に公開される。（佐藤　雅昭）

　≪若き日の主人公役　のん「興奮した」≫吉永演じる純子の若き日を演じたのん（31）、娘役の木村文乃（37）、息子役の若葉竜也（35）、佐藤演じる夫・正明の青年期を演じた工藤阿須加（33）、そして天海扮する親友の若き日を演じた茅島みずき（20）が、この日の会見で披露された。のんは「素敵な役を頂けて興奮しました」と話し、木村は「本当の家族になれた感じがします」と笑顔で語った。「北のカナリアたち」以来13年ぶりに吉永とタッグを組んだ阪本監督は「ミッション:インポッシブルよりヒットする」と自信満々だった。