山下三段 注目の16歳対決を制す 「連続王手による千日手」を見切り炭崎四段に勝利
2025年5月17日(土)14時13分 スポーツニッポン
将棋の若手棋戦、第15期加古川青流戦が17日、兵庫県加古川市で開幕し、山下数毅三段(16)が炭崎俊毅四段(16)に132手で勝利した。4月に四段に昇段した炭崎はこの日がデビュー戦で、同い年の山下三段とはもちろん公式戦初対局。山下三段は四段昇段では後れを取ったが、対戦では先んじた。
振り駒の結果、炭崎の先手になり戦型は相掛かりへ進んだ。浮き飛車に構えた炭崎がひねり飛車のように7筋へ転回。長い中盤戦から、炭崎が竜飛車両取りの角打ちで抜け出した。
ところが山下三段は、3月の詰将棋解答選手権で藤井聡太王将(22)=名人など7冠=らに続く3位に入った終盤力を発揮し、追い上げる。両取りを逃げずに攻め手を緩めず、最後は自王が、相手にとっての反則「連続王手による千日手」で際どく詰まないことを確認して勝利した。
山下三段はプロ未満の奨励会員ながら今月2日の竜王戦5組ランキング戦準決勝で勝利し、規定により四段昇段(プロ入り)の資格を得た。現在進行中の第77回三段リーグで降段点(勝率2割5分以下)に該当しない限り、2回目の次点を付与され、フリークラスでの四段昇段が認められる。さらに12日、5組決勝も千日手指し直しの末、勝利して初優勝を飾るとともに決勝トーナメント進出を決めた。
同トーナメントは1回戦からの登場となり、5連勝すれば挑戦者決定3番勝負に進出。ここで2勝を挙げると、今秋開幕予定の7番勝負で藤井聡太竜王(22)=王将含む7冠=と対戦する。奨励会員の同トーナメント進出が史上初という快挙を達成したばかりだった。