藤井聡太名人「本意ではない」 第4局は千日手が成立…永瀬拓矢九段は「自然な印象」持ち時間たっぷり&先手番に/将棋・名人戦
2025年5月17日(土)20時0分 ABEMA TIMES

将棋の第83期名人戦七番勝負は5月17日、藤井聡太名人(竜王、王位、王座、棋聖、棋王、王将、22)と挑戦者・永瀬拓矢九段(32)による第4局の対局が大分県宇佐市の「宇佐神宮」で行われ、午後5時3分に61手で千日手が成立した。指し直し局は先後を入れ替え、18日午前9時から永瀬九段の先手番で指される。
千日手局は、藤井名人の先手で角換わりの出だしに。第2局とは形の異なる先手から角交換する△三金型が志向された。永瀬九段の入念な準備があると見られ、藤井名人は1日目午前中からじっくりと長考に沈む場面も。先手は自分から攻めるのか、相手に攻めさせるのか、方針を立てるために多くの時間を投入していた。
永瀬九段も長考返しを見せるなどじりじりとした展開となったが、封じ手の定刻が見えてくる夕方に急流に。後手の永瀬九段が千日手を目指すと、藤井名人も受け入れるを得ずに同一局面をたどることに。がっくりと頭を垂れる様子も見られる中、午後5時3分に同一局面が4回となりシリーズ初の千日手が成立した。
藤井名人は「先手番だったので千日手は本意ではなかったが、やむを得ない形になってしまった」とコメント。一方、永瀬九段は「後手番は千日手を目指すのは自然な印象。後手番側の視点とするとそういうところもあるのかなと思う」と話した。
ABEMAの中継で解説を務めた佐々木大地七段(29)は、藤井名人が苦し気な表情を見せていたことに着目。「先手番の価値が高い。主導権を握ることにおいて先手・後手では明確な差があるため、トップであれあればあるほど先手の利を活かして勝つ将棋が増えてきている。永瀬九段は時間を残しつつ千日手を選んだので、後手番としては文句のない指し回しだったのでは」と印象を語っていた。
名人戦の規定では1日目の午後4時以降に千日手が成立した場合、その日は指し直し局は行わずに2日目に一日指し切りとなる。そのため、指し直し局は先後を入れ替え、18日午前9時から永瀬九段の先手番で指される。なお、千日手成立は午後5時3分のため、封じ手の定刻午後6時30分までの1時間27分を折半。指し直し局はそれぞれ43分を差し引かれることとなる。
【指し直し局の残りの持ち時間】
▲永瀬拓矢九段 6時間26分
△藤井聡太名人 3時間44分
(ABEMA/将棋チャンネルより)