橋幸夫発症のアルツハイマー型認知症 中等度は「家までの道が分からなくなる、などの症状が出る段階」
2025年5月21日(水)4時30分 スポーツニッポン
歌手の橋幸夫(82)がアルツハイマー型認知症を患っていると、所属する「夢グループ」の石田重広社長が20日、都内で会見を行い明らかにした。同じ発言を繰り返したり、歌詞を忘れるなどの症状が出ているというが、今後も体調を見ながら歌手活動を続ける。きょう21日に行われる事務所の20周年記念コンサート神奈川公演でもステージに立つ予定だ。
【アルツハイマー型認知症とは】
「アルツハイマー型認知症」は脳内で異常なタンパク質が蓄積することで神経細胞萎縮を引き起こし、記憶力や認知機能が徐々に低下。物忘れなどが初期症状で、進行すると記憶障害や夜間せん妄の症状が現れて日常生活が困難となる。橋は中等度と診断された。頭痛外来などを構える東京汐留クリニックの清水俊彦医院長は「家までの道が分からなくなる、などの症状が出る段階」と指摘した。
最も大きな危険因子は加齢。特に65歳以上に多いが、若い人にみられることもある。清水氏は「初期症状の段階で進行を抑制するための治療薬はあるが、完治のための治療法はない」とした。
一方、進行抑制のためには「脳に刺激を与えることが大切」という。例えば歩いたり、人と会って話すことなどが脳の活性化につながるといい「橋さんのように定期的にステージで歌うことは効果的」と話した。
そのほか、脳梗塞や脳出血などによる「血管性認知症」、多様な症状が現れる「レビー小体型認知症」、前頭葉および側頭葉の神経細胞が減少することで発症する「前頭側頭型認知症」などがある。
芸能界では蛭子能収(77)が2020年に「レビー…」と「アルツハイマー型…」を併発していることを公表。海外では22年に俳優を引退したブルース・ウィリスさん(70)が「前頭側頭型…」であることを家族が公表した。