巨人でも阪神でもない…1日400杯売った“元ビールの売り子”が語る、「ビールがとにかく売れる」意外な球団とは?「めっちゃ飲んでくれる」
2025年5月24日(土)12時10分 文春オンライン
〈 1日400杯売った「東京ドームの元ビール売り子」が明かす、リアルなギャラとプロ野球選手との“出会い事情”「売り子はみんな可愛いので…」 〉から続く
昨期まで立ち技格闘技「RISE(ライズ)」で“美しすぎるラウンドガール”として話題を集めたタレントのぽぽちゃん。実は高校生時代から東京ドームのビール売り子として働いていた過去を持つ。
そんな彼女が、同じビール売り子から買いがちな理由から、球団ごとのファンの特色、“ビール売り子マニア”の実態まで明かしてくれた。(全3回の2回目/ 3回目 に続く)

◆◆◆
ビールがよく売れるのは「点を取り合っている試合」
——ビールが売れる試合、売れない試合とかはあるんでしょうか。
ぽぽちゃん 金曜のナイターは売り子の人数がまず多いです。逆に日曜のデーゲームは売り子の人数が減って、1つの売り場から何人か削られます。だから「うちは多分売り場ないし、日曜休むわ」って最初から出ない子もいました。
——昨年まで巨人に在籍した菅野智之投手が投げると、投手戦で試合が早く終わるからビールがあまり売れないと聞きました。
ぽぽちゃん 投手戦だったり、みんなが集中して見るような試合はビールが売れないんですよ。あと点差がついた試合は面白くなくなるから、お客さんがお酒を飲まなくなります。試合が終わる前に「負け、負け」っていって帰っちゃいますし。
逆にある程度、お互いに点を取り合っている試合だとみんな最後まで球場にいてくれるのでビールも売れます。
次の1杯を買ってもらうビール売り子の極意
——ビールの売り上げは前半勝負だそうですね。
ぽぽちゃん ビールは1杯目に買ってもらうのがとにかく大事です。1杯目が売れると、同じ人が買ってくれるので。「1杯目、このお客さん買ってくれたな」と思ったら、そのお客さんのビールがなくなりそうなタイミングに近くを通ろうかな、と考えたりします。
——確かに、同じ人からビールを知らず知らずに買っているかもしれないです。
ぽぽちゃん たぶん、それは売り子に見られてますね。「あの人、ビールの残りもうちょっとだな」って(笑)。
東京ドームって、カップに会社のマークがついているから。1杯目何飲んでて、2杯目多分何飲んだってわかるんですよ。「あの人はアサヒのカップだけを重ねているから、エビスの私からは買わないな」とか。それが見えないと無駄に動くことになるんですよ。
逆にいろんな会社のカップを重ねてる人は「なんでも飲めるんだこの人」って思うから、空いてるな、近く行こうかな、とか。
——東京ドームで売るビールは4メーカーありますが、ぽぽちゃんはサッポロ担当でエビスビールも売っていたんですよね。エビスは普通なら他のビールより少し値段が高いですが、球場だと一律、同じ値段です。
ぽぽちゃん ビールの値段は変わらないんですけど、カップの大きさが違います。カップを重ねるとわかるくらい絶妙に小さかったりするんですよ。
売り上げNo.1の先輩からの引き継ぎ
——あとビール売り子って先輩から後輩に引き継ぐ文化があると聞きます。たとえば、売り子さんが帽子につけている花も、先輩から代々引き継ぐとか。
ぽぽちゃん うちの会社は年間売り上げ1位の人がひまわりの花を頭につけていました。なので、ドームで今もつけている子がいると思います。同じやつを使っているので、思い出がたくさん詰まってるはずです。
——先輩が辞める時に後輩が常連さんも引き継ぐとか。
ぽぽちゃん 紹介はあります。それこそNo.1だった先輩が辞める時に「可愛がっている後輩なんで」と常連さんを何人か紹介してもらいました。常連さんも元々先輩が私と仲がいいのを知ってくれているんで。
出待ちや差し入れもする“ビール売り子ファン”の実態
——ビール売り子同士が仲が良いとか、常連さんはわかる?
ぽぽちゃん 私たちがドームに出入りする職員用のゲートがあるんですけど、本当に売り子が大好きな人たちって、試合が終わったらそこのゲートの前にいて待ってるんですよ。
——えっ、ビール売り子って出待ちがいるんですか。
ぽぽちゃん コアだと思うんですけど、いました。野球の試合と同じくらい、売り子のことを見てくれてますね(笑)。ネット掲示板に「売り子ちゃんねる」というのがあって、そこに書き込むような人たちです。
——変な人とかいませんか。
ぽぽちゃん そういう界隈の人たちで本当に変な人って少ないですね。変なことをするとそのコミュニティーに入れなくなっちゃうんで、節度は守ってるし、みんなとってもいい人でした。
常連さんは帰り際に「お疲れ様。なんか食べたいものある?」と聞かれて「ジュース飲みたい」とか言うと、ジュースを買ってくれたり、あと「ピザを買っといたよ」と差し入れをくれたりしました。受け取っちゃだめなルールなんですけど、暗黙でしたね。
——球場でのナンパとかってどうなんですか。
ぽぽちゃん そこまですごい人はいなかったです。スマホは持ち込み禁止でロッカーに置いてあるんですけど、連絡先の交換自体はダメとは言われてなかったはずです。たまにさっとお名刺を出されたりとかはあったけど、やんわりお断りしてました。
——あと、ここ最近では名前を明かさなくてもSNSのアカウントを見つけてくる人間もいると聞きました。
ぽぽちゃん 見つかってしまったりするらしいですね。私の聞いた話だと、成人式にお客さんが来ていて怖かったと聞きました。
東京ドームで売り子をしていたら「西武ドームで働かない?」と声をかけられて…
——それはホラーですね……。他球場の売り子との交流はあったりするんですか?
ぽぽちゃん 東京ドームで働いている子で、神宮球場と掛け持ちをしている子もいました。あと私も、東京ドームで売り子をしていたら、西武ドームのチェッカーさんたちが来ていて「西武ドームで働かない?」と声をかけられて、西武ドームで何回か働かせてもらったことがあります。
——売り子のスカウトなんてあるんですね。西武ドームは東京ドームと違った部分はあるんですか?
ぽぽちゃん 東京ドームは他球場よりもルールが厳しい分、西武ドームの方が自由だったイメージです。
例えば東京ドームだと、売り場が明確に決められているんですけど、西武ドームはエリアがなくて1塁側、3塁側でもどこでも行っていいんです。
あと東京ドームは入りの時間が16時からで、上がりの時間もきっちり決まってるんですよ。でも西武ドームは売り子が好きな時間に出てって、「最後これ売ったら帰ろう」みたいに、自由な時間に上がれました。
——聞いていると西武ドームの方が楽というか、働きやすそうです。
ぽぽちゃん 実際、自由だし楽でした。でも、私は東京ドームでずっとやってきたから、競争してる感じが少なくて、個人的には物足りなく感じてしまいました。合う合わないはあると思います。
ビールが売れるイメージしかなかった球団とは?
——なるほど。今は球場の違いでしたが、球団ごとのファンでも違いはありますか?
ぽぽちゃん 私が売り子をしている時はちょうど広島がリーグ優勝をしていたこともあって、広島戦はビールが売れるイメージしかなかったです。とにかくめっちゃ飲んでくれて、本当にハッピーな方がすごく多くて。勝っても飲んで、負けても飲んでという感じでした。
——阪神ファンはどうですか。巨人との試合は伝統の一戦ですし、盛り上がりそうですが。
ぽぽちゃん 巨人と阪神の試合で巨人がめちゃめちゃ点数を取った試合があったんですよ。
その時、私は3塁側でサワーを売ってたんですけど、コアな阪神ファンの人がいる黄色い方向に向かっていったら、阪神ファンの人から「ピリピリしていてヤバいから、こっちに売りにこない方がいいよ」と言われて、ヒィーってなりました。
——中日ファンは当時はどうでしたか。
ぽぽちゃん 中日は結構空席が目立つイメージでした。ヤクルトファンは持ち込みが多かったですね。2杯目を狙って近づいたら、クーラーボックスからワインを取り出してコップで飲んでいて「いやだー」って思いました(笑)。DeNAファンは……すいません、あんまり記憶にないです(笑)。
「売れれば500杯とかいく」都市対抗野球のビール売り子がプロ野球より大変なワケ
——ぽぽちゃんはプロ野球以外でも、社会人の都市対抗野球でも売り子をしていたそうですね。
ぽぽちゃん 都市対抗野球の方がプロ野球より大変なんですよ。都市対抗って1日に3戦あるじゃないですか。売り子は3試合とも全部出なければいけないので、朝10時から夜の試合が終わるまで働きます。それが1週間以上続くので。
——3試合だと体力的にきつそうですが、逆に儲かりそうですね。
ぽぽちゃん 3戦分が合算されるんですよ。あと都市対抗はお祭りなので、朝の1戦目は1〜2杯くらいしかビールが売れないんですが、2戦目とか3戦目が売れれば500杯とかいくので。そうすると達成賞がつくので、そこのプラスがかなり大きいです。
つらかったけど幸せだった青春のビール売り子
——稼いだお金は何に使ってたんですか。とくにシーズン中は毎日試合があるので、使う暇がないのでは。
ぽぽちゃん 終わったあと、そのまま先輩と飲みに行くんですよ。「今日ご飯行きますか?」じゃなく「何食べる?」という感じで。ナイター終わりで終電に間に合わなかったら、朝まで飲んでました。それも楽しかったです。
——これまでのお話を聞いていると、ビール売り子はぽぽちゃんにとっての青春と言えそうですね。
ぽぽちゃん 本当に大変で、1年に1回は樽を背負いながら、自分だけ売れないと泣いてました。振り返るとつらかったなって。
でも、そんな中で頑張れたのは、やっぱり先輩たちが声をかけてくれたり、ビール1杯が売れた嬉しさだったり。
何より、ビールくださいって声をかけてくれるお客さんがいることが幸せでした。今でも1日だけビール売り子をやりたいくらいですね(笑)。
撮影=細田忠/文藝春秋
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(徳重 龍徳)
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