1日400杯売った「東京ドームの元ビール売り子」が明かす、リアルなギャラとプロ野球選手との“出会い事情”「売り子はみんな可愛いので…」
2025年5月24日(土)12時10分 文春オンライン
昨期まで立ち技格闘技「RISE(ライズ)」で“美しすぎるラウンドガール”として話題を集めたタレントのぽぽちゃん。実は高校生時代から東京ドームのビール売り子として働いていた過去を持つ。
レースクイーンから女性アナウンサーまで、芸能人を数多く輩出する仕事としても知られるが、その内情はかなり過酷。アザだらけの肉体労働、厳しい出勤調整、バチバチの人間模様まで赤裸々に明かしてくれた。(全3回の1回目/ 2回目 に続く)

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時給1500円につられて応募…ビール売り子を始めたきっかけ
——ぽぽちゃんが東京ドームでビール売り子のアルバイトを始めたのはいつですか?
ぽぽちゃん 高校2年生です。当時は普通の高校に通っていたんですが、その頃から勉強より違うことがしたいって思っていて。高校はアルバイト禁止だったんですが、受験から逃げるようにバイトを始めました。
アルバイトの求人を見ていた時に、普通なら時給が高くても1000円とかじゃないですか。でもビール売り子の求人は時給1500円って書いてあったんですよ。「うわ、高い。よしここに行こう」と思って応募したんです。行ってみたら時給じゃなかったんですけど(苦笑)。
——高校生でもビール売り子になれるとは知りませんでした。
ぽぽちゃん 高校生は働くのが22時までなんです。22時を超えそうな時は早めに身支度を終わらせて帰ります。ただ高校生自体は少なかったですね、私が働いていた会社では私ともう1人くらいでした。
野球のルールは全然わからず…「『打って、走ってるな』みたいな感じ」
——野球自体は好きだったんですか?
ぽぽちゃん 全然興味なかったです。売り子として球場で数年見てましたけど、ルールもわからなくて「打って、走ってるな」みたいな感じでした。売り場は2階席だったんで、選手の顔も見えなかったです。
——ビール売り子は基本給と歩合ですよね。
ぽぽちゃん そうです。基本給は1000円くらいでした。だから球場に行っただけで、ビールやサワーを売らないと1000円つくだけです。
「待機補助」で交通費だけしかもらえないときも…
——ビール売り子といいながら、最初は別の飲み物しか売れないんですよね。
ぽぽちゃん そうなんです。私の時代はまず「ポールスター」というスパークリングワインを売るところからのスタートでした。女性は結構飲んでくれるんですけど、あまり売れないんですよ。売れないから樽交換するタイミングも少なくて、水分補給する時間も取れなくて……。
サワーやハイボールもそうですけど、ポールスターも氷がついている分、余計に重いんですよ。どんなに歩き回っても売れないし、どんどん疲れていくし。それに、ポールスターも背負えない時期があるんですよ。
——売り子なのに背負えない? どういうことですか。
ぽぽちゃん 「待機補助」というのがあって、出勤すると「今日は補助ね」と言われて、着替えもせずに、3〜4人が会社の事務所で座って待ってるんですよ。出勤した子たちが全員配置についたら電話がかかってきて、そうしたら補助の子たちは基本給という名の交通費だけをもらって帰るんです。逆に欠員が出ると「今から着替えて」って言われて、売り子をやるんです。
ポールスター、サワーを売ってからビール売りに格上げ
——スポーツの補欠みたいな感じですね。
ぽぽちゃん そうです、そうです。最初は「待機補助」が多いんですけど、当時、私は高校生で、お小遣いが欲しいくらいの感覚で働いていたんで、売り子として働かなくてもお金はもらえるし早く帰れるので「きょうは学校の課題をやろう」とか切り替えてたんです。
でも、大学生の子たちは家賃を払うためであったり、ある程度稼ごうと思ってバイトに応募するじゃないですか。それなのに連続で「待機補助」になることもあるから、辞めていく子も多いんです。
私の会社の場合、最初はポールスター、その次はサワーと変わっていきます。仕事をしていくうちに、どんどんお客さんのさばき方がわかってくるんですよ。それでサワーの売り上げがよかったり、欠員が出たらビールに上げてもらえるんです。
——歩合の額も違うんですよね。ビールを1杯売ると30円くらいで、サワーはそれよりも少ないとか。
ぽぽちゃん だいたいそれぐらいです。あと「達成賞」があるんですよ。その日に売り上げたビールの樽が何個以上ならプラスいくらって感じで、10樽でプラス5000円とかつきました。
ほかにも3連戦に全部出るとプラス1000円もらえたり、月全部出勤したらボーナスが出たり。なので頑張れば頑張るほど、お給料が上がるイメージでした。
あと私がやっていた頃はまだ現金支払いだったので、800円のビールを売って、1000円札を出したお客さんが「お釣りはあげるよ」とチップをくれることもありました。でも今は東京ドームも現金じゃなくなりましたね。
樽の重さは20キロ、膝も肩もアザだらけ…過酷すぎる仕事内容
——細かいお金がどんどん積み重なっていく感じなんですね。最高で1日いくらぐらいになったんですか?
ぽぽちゃん えーっ、細かく覚えてないんですよ。だいたい売り上げが10樽でそれが250杯くらい。そこに達成賞がつくので1日で1万円を超えるくらいですね。私は最高で400杯ぐらい売ったことがあります。
——1日1万円を超えるなら結構いいバイトですね。ただ売り上げの低い子はなかなかシフトに入れないとも聞きました。
ぽぽちゃん 売り子は出勤調整があります。あと1か月のシフトを出す時に、1か月全部出られますと出勤表を出すと、出勤調整がかかってもかからなくても1万円もらえました。
なので、ある程度お客さんがついて安定した売り上げのある子たちは売り子を辞めないんですよ。大学も辞めて、ずっと売り子をやっている子とかも結構いますよ。
——ただ体力的には過酷な仕事ですよね。ビール樽は重い上に、階段を上り下りしないといけないですし。樽とかの重さってどのくらいなんですか。
ぽぽちゃん 20キロくらいになります。でも売っている間って、実は体のキツさがわからないんですよ。お客さんがいるし、頑張らなきゃって思うので。ただ仕事が終わった後にどっときます。すごい筋肉痛で動けなくなるし、膝も肩もアザだらけです。勲章ですね。
しゃがんでビールを注がないとクレームに
——そういえば売り子さんはハーフパンツなのに、ビールを注ぐ際に必ずヒザをつきますよね。あれってなぜヒザをつくんですか。
ぽぽちゃん あれは観戦障害防止のためなんです。後ろのお客さんとかが見えなくなっちゃうから、しゃがまないとクレームに繋がりやすいんです。
クレームに繋がると、会社全体で「出し」って言うんですけど、ビールの売り始めの時間がペナルティで10分遅くなったりするんですよ。お客さんってまず1杯目のビールを早く飲みたいじゃないですか。だから「出し」の10分が結構売り上げに響くんです。
ヒザ以外でも、樽を背負っているので両肩から両脇にかけて黒ずみができます。今はもう消えましたけど、当時はタオルを入れて防いでいました。あと、どうしても肌にビールがつくので、肌荒れします。私はそうでもなかったですけど、先輩とかはもう片手がガサガサでした。
「みんな可愛いので…」プロ野球選手との“出会い事情”
——あと、売り子さんでいうと、容姿端麗な人が多いというのがあります。ぽぽちゃんもそうですけど、ビール売り子から芸能人に転身する方って本当に多いですよね。
ぽぽちゃん 結構いますね。私が高校生で入った頃からずっと仲良くしてくれた先輩がいたんですが、その先輩がずっと売り上げNo.1だったんです。
青野夏希さんといって、1シーズンが終わった時に年間表彰もされていました。売り子の時は普通の大学生だったんですが、今はタレントをされています。
あと、元テレビ東京のアナウンサーの池谷実悠ちゃんもビール売り子をしていて、同じ2階席の3塁側で売ってました。
私は格闘技「RISE」のラウンドガールを昨期までやっていたんですが、ゲスト解説されているタレントの志田音々さんも東京ドームでアサヒビールの売り子をしていたって聞きました。あと前田星奈さんはレースクイーンをやりながら、今もビール売り子をしています。
——すごいですね。野球選手との出会いとかはあるんですか?
ぽぽちゃん 東京ドームは全くないです。私たち売り子は事務所と売り場の行き来なので。ただ、みんな可愛いので、球場以外で出会ってるんじゃないですかね。
「売り子同士で結構バチバチします」売り上げ次第の下剋上の世界
——それだけタレントになるような人がひしめいていると、競争が厳しそうですね。
ぽぽちゃん ビジュアルが良くない子が消えていくというよりも、か弱い子が消えていっちゃうイメージです。まず体力勝負なんですよ。終わったときに疲れて真っ白になっている子とかいて「大丈夫かな?」と思っていたら、次の日からいなくなっていたり。
逆に売り子として残っている子たちは気持ちが強いです。待機補助だったり、売れないポールスターになっても、我慢する。他の売り子との競争に晒され続けて、それでも辞めない子たちなので。ロッカーでも、みんな素っ裸で着替えてましたし、先輩、後輩の上下関係もしっかりしてます。
——年齢が上の人が偉いのか、売り上げトップが偉いのかでいえばどっちですか。
ぽぽちゃん 売り上げですね。だから下剋上もあります(笑)。
——じゃあ下から抜かされたりすると、機嫌が悪かったりする?
ぽぽちゃん 結構すごいです。売り場が近かったりすると、結構バチバチしますね。
チェッカーという、売り子の管理をしてくれる人が、球場でバインダーにひとりひとりの売り上げを書き込んでいるんですよ。そのチェッカーに「え、あの子何杯、今売っているの?」って聞いたり。派閥とかもありましたね。バイトなんで表面上は仲良くしていましたけど、バチバチはしてましたね。良く言えば切磋琢磨ですけど……。まあ、女の子なんで(笑)。
撮影=細田忠/文藝春秋
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(徳重 龍徳)
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