目指すは2年連続3度目V 稲葉陽八段は20代の若手2人を指名「未知数な部分もあるが戦っていく中で成長を」/将棋・ABEMAトーナメント2025

2025年5月26日(月)11時30分 ABEMA TIMES

 2年連続3度目の優勝を目指す稲葉陽八段(36)が指名したのは、将来性豊かな20代前半の棋士2人だった。将棋界の早指し団体戦「ABEMAトーナメント2025」は5月24日にドラフト会議の模様が放送された。稲葉八段は1巡目に藤本渚六段(19)を指名するも抽選で外し、上野裕寿四段(22)を指名。さらに2巡目も昨年10月にプロデビューの吉池隆真四段(20)という若手を選んだ。「未知数な部分はありますし、戦っていく中で成長していけるかどうかが、上に行けるカギ」と稲葉八段も成長も見込んでの指名だと明かした。

【映像】稲葉VS菅井 弟弟子争奪戦となったくじ引き

 稲葉八段はリーダーとして第5回大会から3年連続で決勝進出。優勝、準優勝、そして優勝と抜群の成績を残している。過去指名してきたメンバーには後輩棋士が多く、自ら先輩として戦う背中を見せつつ、さらに若手が大会中に力をつけるという理想的な展開が頻出している。ドラフトでは1巡目で抽選くじを外したが「重複は割と望んでいた形の一つ」と醍醐味を感じると、直後に上野四段の名前を紙に書いた。「攻守のバランスが取れていて踏み込むところは踏み込む。終盤が強いタイプで持ち時間が長い方が強いかなと思ったんですが、相手が強ければ強いほど燃えるタイプという印象があります」と、大物食いの素質を見込んだ。

 2巡目には、まだプロ歴が1年にもならない吉池四段を抜擢。「若いから頑張ってくれるだろうというのもあるんですが」と微笑むと、「昨年、藤本さんが活躍した時に吉池さんに教えてもらった戦法を使って勝ったと言っていたので、おもしろい作戦を持っているという印象です」と、若手ならではの感性・研究に期待した。

 中堅の域に入ってから振り飛車を指すようになるなど新たな変化や刺激を求める稲葉八段にとっても、この大会で若手とともに戦うことはいい経験だ。「勉強になりますし、(対局が)放映になる前にそれを試して公式戦で勝ったようなこともあります。吉池さんは雁木や右玉が得意で、結構おもしろいです」と、若手以上に貴重な経験をしているかもしれない。

 2度も頂点に立っているだけに目標は優勝以外にないが、今年もまた若手を育てながら勝つという挑戦をする。「吉池さんは私と親交がない分、緊張する部分もあるかと思うので、のびのび指せる環境をうまく作ってあげられるかも一つのカギになると思います」。すっかり同大会の戦い方を熟知した稲葉八段。3度目の優勝へイメージはばっちりだ。

◆ABEMAトーナメント2025 第1、2回が個人戦、第3回から団体戦になり今回が8回目の開催。ドラフト会議にリーダー棋士7人が参加し、2人ずつを指名、3人1組のチームを作る。残り1チームは指名漏れした棋士が3つに分かれたトーナメントを実施し、勝ち抜いた3人が「エントリーチーム」として参加、全8チームで行われる。予選は4チームずつ2リーグに分かれ、上位2チームが本戦トーナメントに進出する。試合は全て5本先取の9本勝負で行われ、対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールールで行われる。優勝賞金は1000万円。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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