肌の露出も「私自身がやると決めたこと」カナダ生まれの39歳俳優が、念願の『ミッション:インポッシブル』出演で見せた覚悟
2025年5月26日(月)18時0分 文春オンライン
前作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング』に出られるかもしれないと知った時、ポム・クレメンティエフは、感激のあまり泣いた。
「『ミッション:インポッシブル』に出るのは、昔からの夢だったの。だから、自主的にスタントマンから特訓を受け、自分で動画に収めては、エージェントにどんどん送っていたのよ。そうしたら、ある日、クリストファー・マッカリー監督から食事に誘われたの。彼のお話は本当にすばらしくて、家に帰って泣いたわ。絶対この映画に出たい、でも、出られなかったとしても、この機会をいただけただけで幸運だったと思おうと、心に誓いつつ」
そう語る彼女は、最新作『ファイナル・レコニング』でもマッカリーと主演兼プロデューサーのトム・クルーズに認められただけあるアクションを披露。前作でイーサン(クルーズ)の敵として登場したパリス(クレメンティエフ)は、今回、味方に回っている。
「でも、パリスはパリス。急に良い人になるわけじゃない。謎もまだたくさん残っているわ。彼女はどこから来たのか、なぜあの男の下で働こうと思ったのかなどは、説明されない。観客に想像の余地を残すのは良いことよ」
マッカリーとクルーズの製作プロセスは、独特だ。最初に脚本を完成させるのではなく、「映画がどこに行きたいか」に耳を傾け、撮影しながらストーリーを決めるのである。キャラクターも同様に、演じる役者に合わせ、彼らが持ち込むものを重視しながら詰めていく。その流動性に、役者は最初こそとまどうも、そのうち自由とコラボレーションの喜びを発見するようだ。
「現場入りすると、私はいつもマッキュー(マッカリー)に『今日、私は誰を殺すんですか?』と聞いたものよ。当日は、それがわかっていれば十分。パリスの戦い方については、リハーサル中やトレーニング中に一緒に見つけていった。衣装についても意見を聞いてくれたわ。マッキューとトムは、役者がやりやすいかどうか、常に気にしてくれる。今作には肌を露出する衣装もあり、多少居心地は悪かったけれど、それだって押し付けられたのではなく、私自身がやると決めたこと」

©2025 PARAMOUNT PICTURES.
ハリウッドデビュー作『オールド・ボーイ』ではボクシングの腕前を見せた。代表作のひとつである『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』はスーパーヒーロー映画だった。当然、肉体作りには、普段から余念がない。
「ニューヨークにいる時は、ボクシングやピラティスのクラスを取る。時々ランニングやウェイトリフティングもするし、ヨガも好き。今では自分の体をよく知っているから、何をするべきかわかる。だから、ジムで音楽を聴きながら、自由な運動をすることもあるわ。とにかく、仕事でどんなことを要求されても良いように、柔軟性と強さを維持しておきたいの。100歳になっても元気な人がいるでしょう? 自分もそこまで生きられることがあれば、そうありたいなと思うのよね」
カナダ生まれの39歳。母は韓国人、父はフランスの外交官。幼い頃、家族でフランスに戻るまでの数年間、日本に住んだことがある。
「当時は日本語も少し話せたのに、もう全部忘れちゃった。日本にはその後も何度も行っている。『ミッション:インポッシブル』のトレーニング中、急に2週間のお休みがあるとわかった時も、日本に旅行したのよ。桜が見られるのかと思っていたのに、早すぎたみたい。それは残念だったけれど、草間彌生美術館にも行ったし、素敵な時間を過ごせたわ。日本は大好き」
『ミッション〜』に出る夢をかなえた彼女、次は、日本の映画への出演を目標に定めては?
Pom Klementieff/1986年、カナダのケベック・シティ生まれ。フランスのインディーズ映画でキャリアを始め、スパイク・リーの『オールド・ボーイ』(2013)でアメリカ進出。マンティス役でマーベル映画に5本出演している。
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映画『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
絶賛先行上映中!5月23日(金)公開
https://missionimpossible.jp/
(猿渡 由紀/週刊文春 2025年5月29日号)
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