「あんぱん」寛“名言メーカー”ネット反響「素直に反応するだけ」竹野内豊が子役に感謝 流行語大賞も期待

2025年5月26日(月)8時15分 スポーツニッポン

 ◇「あんぱん」柳井寛役・竹野内豊インタビュー(2)

 女優の今田美桜(28)がヒロインを務めるNHK連続テレビ小説「あんぱん」(月〜土曜前8・00、土曜は1週間振り返り)は26日、第41話が放送され、朝ドラ初出演となった俳優の竹野内豊(54)が好演し、柳井嵩(北村匠海)を導いてきた伯父で医師の柳井寛が急逝した。“名言製造機”と話題を集めた、今作随一の人格者が“突然の退場”。涙の視聴者が相次ぎ、インターネット上には「寛先生ロス」が広がった。竹野内に撮影の舞台裏を聞いた。

 <※以下、ネタバレ有>

 「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」シリーズなどのヒット作を放ち続ける中園ミホ氏がオリジナル脚本を手掛ける朝ドラ通算112作目。国民的アニメ「アンパンマン」を生み出した漫画家・やなせたかし氏と妻・暢さんをモデルに、激動の時代を生き抜いた夫婦を描く。

 竹野内は1994年に俳優デビュー。30年超のキャリアを誇るが、意外や今回が朝ドラ初出演となった。

 演じた寛は柳井医院の院長を務める町医者で、嵩や柳井千尋(中沢元紀)にとって育ての父。いかなる時も2人を励まし、生きる道しるべを示してきた。

 「なんのために生まれて、なにをしながら生きるがか」(第18回)「絶望の隣はにゃ…希望じゃ」(第20回)など、竹野内の美声から放たれる、やなせ氏の作品を引用・投影した台詞がSNS上などで反響。語尾の「(発音上は)にゃー」(台本上の文字は「〜ねや」)など、心温まる土佐弁も好評を博した。

 寛の“歩く金言”“名言メーカー”ぶりについて、竹野内は「おそらく標準語の台詞だったら、これほどすっと心に落ちてこなかったかもしれません。土佐弁になることで、より親しみやすく、多くの方々に届いたんじゃないでしょうか」と分析。“方言効果”に感謝した。

 「どうしたら、その一つ一つの言葉をより深く表現できるのか。クランクインする前は、頭の中であれこれ考えていましたが、実際に子役の木村優来くんと対峙して、お芝居をしてみると、それがバカバカしく思えるぐらいでした。この感覚はうまく言語化できないんですけど、子どもたちには理解が難しいと思われる台詞でも、私が投げ掛けると、木村くんはしっかり感じ取っている。それがちゃんと瞳の奥に表れているんです。だから、真っすぐ木村くんと向き合い、呼吸を合わせ、彼からはね返ってくるものに自分も素直に反応する。それだけでいいんだな、と。頭でっかちになっても、現場に入ると、実際はあまり役に立たないことが多いんです。今回もまさにそうで、あらためて子役の方々から教わることがたくさんありました」

 「寛は誰に対しても分け隔てなく、広い心を持つ、本当に人格者そのものだと思います。ただ、それはおそらく、今までの人生が希望に満ちた明るい面だけではなく、その真逆の側面、暗闇や“絶望”も経験しているからこそなのではないか。寛の言葉一つ一つに深みを持たせ、説得力を含ませるにはどうしたらいいかと考えた時、いつもその“絶望”の部分を自分の腹の底に置くイメージを持って演じていました」

 特に共感した“名言”は第5週のサブタイトルにもなった「人生は喜ばせごっこ」。「本当にこの言葉の通りだなと思いますよね」と実感を込め「自分も含め、日本中で一人でも多くの人がこの意識を高めることができれば、きっと素晴らしい未来が約束される気がします。『人生は喜ばせごっこ』と『たまるかー!』(感動や驚きを意味する土佐弁の感嘆詞)が流行語大賞になってほしいぐらいです」と願っている。

 =インタビュー(3)に続く=

スポーツニッポン

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