これも戦争の悲しさか…「機動戦士ガンダム」子どものパンを盗み食いする老人登場で、アムロたまらず声掛け

2025年5月27日(火)7時0分 ABEMA TIMES

 アニメ「機動戦士ガンダム」は、無情なまでに戦時を生々しく描写している点が、放送から50年近く経っても見る者の心を揺さぶるのだろう。特に第9話は、老人が子どもの食べ物を盗むシーンがなんともやるせない。

【映像】子どもの食事を盗み食いする老人(6分36秒ごろ〜)

 放送中のシリーズ最新作「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」第6話では、難民の少女・ニャアン(CV:石川由依)の食事シーンが話題になった。麺をすする姿がかわいらしいのはもちろん、非合法な運び屋で生計を立てるニャアンと、一定の距離を保ちながらも彼女を気にかける元締めのマーコ・ナガワラ(CV:稲田徹)のやりとりが味わい深い。店内の古びた雰囲気などから、キャラクターたちの地に足ついた暮らしぶりが伝わってくる。

 このように「機動戦士ガンダム」シリーズは、戦争という極限の状況における“人間のリアル”が魅力だと言っても過言ではない。そして、人間のリアルというものは、時に醜く、やるせない。その象徴といえるのが、「機動戦士ガンダム」第9話のワンシーンだ。

 アムロ・レイ(CV:古谷徹)は食事中、老人が子どものぶんの食事を盗み食いする瞬間を目撃してしまった。ショックを受けたアムロは、「一緒に食べよう」と子どもたちに自分の食事を差し出した。幼なじみのフラウ・ボゥ(CV:鵜飼るみ子)には、「ちゃんと食べなければだめよ!」とたしなめられてしまったが……。

 実は、食事をめぐっては、アムロ自身も難しい立場に置かれている。ガンダムのパイロットである彼は、貴重な戦力として多くの食事を提供されており、そのことに周囲から不満の声も上がっているのだ。自分が食事に関して優遇されているぶん、アムロは、老人の行為をその場で咎めることができなかったのだろうか。

 ほかにも「機動戦士ガンダム」には、コック長が「戦力に影響するぞ」と戦場での塩の重要性を説くシーンもある。過酷な戦いの中でも、人間は食べる──。「機動戦士ガンダム」及び「ガンダム」シリーズの食事シーンには、作り手たちのそんな思いが込められているのかもしれない。

 現在配信中のアニメ「機動戦士ガンダム」は1979年4月から1980年1月まで放送されたサンライズ制作のロボットアニメで、富野由悠季監督が手掛けた作品。“リアルロボットアニメ”という新ジャンルを開拓し、以後のロボットアニメに多大な影響を与えた。放送当時の視聴率は振るわなかったが、再放送や劇場版の公開で人気が急上昇すると、「ガンプラ」ブームも生まれた。以降のガンダムシリーズや、スピンオフなどの派生作品も多数制作され、現在も高い人気を誇る。2025年4月からは新作アニメ「機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス)」が放送中。

(C)創通・サンライズ

ABEMA TIMES

「機動戦士ガンダム」をもっと詳しく

「機動戦士ガンダム」のニュース

「機動戦士ガンダム」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ