「下ネタ&セクハラ芸で戦ってきた」大久保佳代子さんのつややかトーク術……新刊のエッセー集に学ぶ
2025年5月30日(金)10時40分 読売新聞
たまには、ビーンボールを投げてみたい。
カリスマキリンへの道
キリンも50歳になると、これからの人生の目標より、思わず人生で出来なかったことを数えてしまうのです。外国語が身につかなかった。仕事がてきぱきこなせるようにならなかった。……でも、本当はそんなことはどうでもいい。
本当は気持ち悪くなく、明るいお色気トークをできる大人になりたかった。あきらめきれず、「下ネタ&セクハラ芸の2つの武器で(テレビ業界を)戦ってきた」というお笑いタレント、大久保佳代子さんの『パジャマあるよと言われても』(マガジンハウス)を読むことにしました。
ゴリマッチョ好きで、EXILE並みの筋肉を持つイケメンにぐちゃぐちゃに抱かれたいと夢を公言する大久保さんは、どんな小さなお色気ポイントも見逃しません。女性のライターからインタビューを受けているとき、彼女が話している端々に出す(んっ♡)のような吐息が気になり、自分も取り入れてみたいと思います。
「今度、ごはん、食べに行こうよ(んっ♡)。
……きりたんぽ、って。大久保さんのエッセーを読むと、つややかな大人トークにはいくつかポイントがあるようです。異性をモノのように扱わないことは大前提として、「きりたんぽ」とか「手巻き
42歳から12年間の文章の合間に、著者の人生がのぞく一瞬があります。恋愛は46歳の別れを最後にご無沙汰で、気力や体力の衰えも感じています。実家の親の介護の問題にも悩むようになる一方で、地元や芸能界の同性の友人たちを大切にしています。
つまり、自分の足でこの世に立っている。積み重ねてきた時間がきっと、つやつやした言葉の照り具合を引き立てるのでしょう。
<凝り固まった頭をやわらかく。四角い頭をキャン玉のように丸くして生きていきたい>
お下品って、詩なんだなー。