『火の鳥 エデンの花』監督がインスピレーションを得た参考作品とは?

2023年11月7日(火)16時0分 シネマカフェ

『火の鳥 エデンの花』©Beyond C.

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手塚治虫の不朽の名作を映像化した『火の鳥 エデンの花』より、西見祥示郎監督が製作において参考にした作品を紹介するコメントが到着。さらにインスパイアされたであろう場面写真も解禁された。

手塚治虫の伝説的な原作「火の鳥」全12編のうち、地球と宇宙の未来を描いた「望郷編」を初のアニメーション映画化した本作。製作期間7年をかけてSTUDIO4°Cが手掛けた。

本作の大きな見どころのひとつとも言えるのが、宇宙空間を飛び回ったり、謎の惑星に立ち寄ることで繰り広げられる壮大な冒険シーンの数々だ。これらSF要素が多く見てとれる構成を、本作で監督・キャラクター原案・絵コンテを担当した西見祥示郎はどのようにして思い描いたのか。

まず本作の“アニメーションとしての魅力”を引き出すために参考にしたのは『草原の子テングリ』(1977年)だという。手塚治虫原案の、モンゴルの大平原を舞台とした少年テングリと子牛の友情を描いた物語だ。

西見監督は本作を製作するにあたって、「“漫画映画”にしたかった」とふり返っており、その点において『草原の子テングリ』には「こういうアプローチもあるのか」と気づかされる点が多々あったようだ。

さらに、ロミとコムが岩舟で流れ星に出会うシーンについては、東映動画(現・東映アニメーション)が手掛けた初のSF映画『ガリバーの宇宙旅行』(1965年)を真似したと明かす。貧しくも夢多き少年テッドが、年老いたガリバーに出会い宇宙へ飛び出すファンタジーアドベンチャー作品だ。

この作品について西見監督は、「主人公の乗ったロケットが宇宙で星と出会う場面がすごく綺麗でいいな、と思って。今回は本当に手探りだったので、いろいろな作品を参考にして、自分の好きなイメージやシチュエーションを少しずつ拝借して組み立てていったところはあります」と語った。

そのほかにも、「たとえば『インターステラー』(2014年)もずっと頭にありましたし、ほかにも過去に見た映画の要素が無意識に画面に滲み出てくるところもあると思います」と語っており、アニメーション作品・実写作品、製作年代にとらわれず、“冒険”や“宇宙”をテーマとした作品から幅広く着想を得ているようだ。

さらに西見監督は、「エンタテイメントとして着地できればいい、この物語を面白く楽しんで観てほしいという目的はひとつあったと思います。最後まで退屈せずに見てもらえるように、いろいろなアニメーション的な仕掛けを織り込もうと意識していた部分はあります」とも語っている。

『火の鳥 エデンの花』は新宿バルト9ほか全国にて公開中。

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