金正恩氏「1万世帯住宅」竣工式に出席…祖父の参拝は3年連続で行わず
2025年4月16日(水)15時23分 デイリーNKジャパン
北朝鮮の金正恩総書記(国務委員長)が15日、和盛(ファソン)地区第3段階1万世帯の竣工式に出席した。朝鮮中央通信が伝えた。同通信が公開した写真から、娘が同行したことがわかる。
和盛住宅地区1万世帯住宅建設計画は、朝鮮労働党第8回大会で示された「平壌市5万世帯住宅建設構想」と党中央委員会第8期第4回総会の決定に従った建設計画だ。金正恩氏は2月16日、父・故金正日総書記の生誕記念日「光明星節」に行われた「第4段階」の着工式に出席した。
4月15日は祖父・故金日成主席の生誕記念日「太陽節」だが、金正恩氏は3年連続で金日成・正日氏の遺体が安置されている錦繍山太陽宮殿を参拝しなかった。金日成氏の業績を矮小化し、自身の成果を強調するために、あえて4月15日に竣工式を設定したと思われる。
竣工式には、朴泰成(パク・テソン)内閣総理をはじめとする党・政府の幹部と内閣、武力機関、省、中央機関の活動家、建設者、平壌市内の勤労者が参加した。ここ最近、動静が伝えられていない趙甬元(チョ・ヨンウォン)朝鮮労働党組織担当書記の姿は今回も確認されなかった。
金徳訓(キム・ドックン)労働党中央委員会書記が竣工の辞を述べた。
金正恩氏が竣工のテープカットを行い、新住宅の入居者と会った。
金正恩氏は、「このように近代的な住宅を今になって提供してすまない」と反省しつつ、「今日、感激と歓喜に満ち溢れる首都市民の姿を見ると、人民のためにより多くの仕事を受け持つ決心が一層固くなるとし、みんなが新しい住宅で無病息災で幸せに暮すことを願う」と述べた。
金正恩氏は、「あなたたちのように党の構想を無条件的に実践していく愛国的な精鋭の建設大軍があるので、第8回党大会の決定貫徹の勝利の砲声が和盛地区から先に響き渡り、平壌の新たな繁栄期は連綿とつながるであろう」と強調した。