インドがパキスタンとカシミール地方攻撃、26人死亡・46人負傷…パキスタンが報復表明

2025年5月7日(水)23時57分 読売新聞

7日、カシミール地方のパキスタン支配地域で、インドのミサイル攻撃で損傷したとみられるモスクを警備する兵士=AP

 【ニューデリー=浅野友美、バンコク=佐藤友紀】インド政府は7日、パキスタン領とカシミール地方のパキスタン支配地域にある「テロ組織の拠点」など計9か所をインド軍が攻撃したと発表した。カシミール地方で先月起きたテロを受けた措置で、パキスタン軍によると、子供を含む計26人が死亡し、46人が負傷した。パキスタン政府は報復を表明した。

 インド国防省は、攻撃対象は「テロリストが訓練を受けたり、テロ計画が策定されたりした場所」だと主張した。標的に軍施設は含まれないと説明した。攻撃に使われたのは「特殊技術兵器」だとしている。複数のインドメディアによれば、ミサイルが使われた。

 パキスタン軍報道官は7日、攻撃で民間人やイスラム教礼拝所(モスク)が狙われたとし、水力発電用のダムが損傷を受けたと主張。シャバズ・シャリフ首相は「断固とした対応を行う権利がある」と表明した。

 パキスタン軍は、インド軍の戦闘機5機を7日に撃墜したとしている。インド主要紙ヒンドゥスタン・タイムズによると、インドによる攻撃後、パキスタン軍はカシミール地方のインド支配地域に向け発砲し、民間のインド人12人が死亡した。核保有国である印パ間の緊張はさらに高まっている。

 インド側が今回の越境攻撃の根拠とするテロは、カシミール地方のインド支配地域で4月22日に起き、インド人観光客ら26人が死亡した。複数のインドメディアによれば、イスラム過激派組織「ラシュカレ・タイバ」とつながりがある「抵抗戦線」が犯行声明を出し、後に関与を否定した。インド側はパキスタン政府がテロを支援したと主張し、パキスタンは反発していた。

 ◆カシミール地方=インド、パキスタン、中国が領有権を主張する国境地帯。印パは1947年の独立以来、領有権を巡って戦争を繰り返してきた。現在は事実上、分割支配され、中印間も国境は画定していない。

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