インドがミサイル攻撃、パキスタンは報復を示唆…トランプ氏「早く終わることを望んでいる」

2025年5月7日(水)10時30分 読売新聞

パハルガムで観光客の護衛に当たるインド軍の兵士(4月22日、インド支配地域のカシミール地方で)=AP

 【ニューデリー=浅野友美、ワシントン=池田慶太】インド国防省は7日、軍がパキスタン領とカシミール地方のパキスタン支配地域にある計9か所の「テロ組織の施設」を攻撃したと発表した。印パが領有権を争うカシミール地方で4月に発生した銃撃テロへの報復となる。パキスタン軍報道官は、子供を含む8人が死亡、35人がけがをし、2人が行方不明だと明らかにした。

 複数の印メディアによると、攻撃はミサイルによるもので、7日未明に行われた。4月のテロを実行した男が関係していたと印側が主張しているイスラム過激派組織「ラシュカレ・タイバ(LET)」の本部があったパキスタン東部ムリドケも攻撃対象となった。印国防省は声明で、「焦点を絞り、慎重かつエスカレーションを招かないものだ」と自制的な対応だったと強調した。

 攻撃を受け、パキスタンのシャバズ・シャリフ首相は声明で「インドが強要した戦争行為に相応の対応をする権利がある」と報復を示唆した。軍事筋は本紙に対し、インド空軍の戦闘機5機を撃墜したと主張している。パキスタン側は、印軍が民間人やイスラム教礼拝所(モスク)を標的にしたと主張している。

 テロは4月22日にカシミール地方のインド支配地域にあるパハルガムのリゾート地で発生し、インド人観光客ら26人が死亡した。印政府は、実行犯はLETとつながりがあり、パキスタン政府がテロを支援したと主張した。パキスタンは反発し、両国は国境閉鎖や相互の貿易停止に踏み切り、対立が深まっていた。

 2019年にカシミール地方のインド支配地域で自爆テロが起こった際も、インドは報復としてパキスタンを空爆した。核保有国の印パ間で軍事的な応酬が激化すれば、地域情勢の不安定化は必至だ。

 米国のトランプ大統領は6日、印パの衝突について「残念だ。早く終わることを望んでいる」とホワイトハウスで記者団に語った。ルビオ国務長官はX(旧ツイッター)への投稿で「平和的解決に向け、印パ双方の指導部に関与し続ける」と強調した。

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