上海の「グッズ経済」はどれほど盛り上がっているか、日中企業が手を組み二次元市場を開拓
2025年5月11日(日)13時0分 Record China
7日、第一財経は上海で日中両国の企業が協力して「二次元」市場の深堀りを進めていることを報じた。
2025年5月7日、第一財経は上海で日中両国の企業が協力して「二次元」市場の深堀りを進めていることを報じた。
記事は、上海市内の商業施設「百聯ZX創趣場」で1日、日本のアニメ制作会社Production I.GとWIT STUDIOの旗艦店、ゲーム会社セガの世界初の旗艦店がそれぞれオープンしたと紹介。もともと二次元ファンの集まるこの地域に新たなランドマーク的店舗が二つ増えたことで一層魅力が増し、多くの若者が来店して商品を購入していると伝えた。
そして、Production I.GとWIT STUDIOは「攻殻機動隊」や「進撃の巨人」などの人気作品で広く知られており、セガも「ソニック」などのゲームで世界的に有名な日本のアニメ・ゲーム企業だと説明。両店舗では作品やキャラクターに関連した限定商品やファン向けの体験ゾーンが用意され、ゲームやアニメ、SNSとの連携を図る場として利用されており、試験営業の段階ですでに売り上げが数百万元を超えるほどの人気ぶりを博したと紹介した。
また、Production I.Gの石川光久会長が上海のアニメファンの美的感覚の高さに言及し、もし上海のファンに満足してもらえれば、他の地域や世界中のファンとも自信を持ってコミュニケーションできるとの考えを示したとも伝えた。
その上で、巨大な規模を誇り、世界の経済においてますます重要性が高まっている中国市場の中でも、二次元IP(アニメやゲームなどから派生する商品)の経済規模は目覚ましい成長を遂げていると紹介。24年の中国の「谷子経済(グッズ市場)」は1689億元(約3兆3780億円)に達し、5年後の29年には倍近くとなる3000億元(約6兆円)を超える見込みだとした。
記事はまた、今回上海にオープンした2店舗がいずれも日本のアニメ映画のライセンス取得と宣伝に携わり、長年にわたり日本のアニメ業界と協力関係を築いてきた中国企業「GuGuGuGu」が独占的な運営パートナーとして支えていることにも言及。「二次元市場は非常に広大で、日中両国企業が協力することで相互に利益をもたらす可能性がある。中国企業は日本企業が中国市場にうまく適応する手助けをし、日本企業は質の高いIPリソースを活用してオリジナル商品を開発することで同質化競争から脱却し、ファンの注目を集めることができる」と評し、日中両国企業のタッグにより上海ひいては中国の「グッズ市場」が一層活性化し成長を遂げる可能性があるとの見方を示した。(編集・翻訳/川尻)