ヘリコプターでプロポーズ…モンゴル首相の息子の浪費に連日抗議デモ、連立政権の崩壊危機で政局混乱
2025年5月27日(火)20時18分 読売新聞
モンゴルのオユーンエルデネ首相
【瀋陽=出水翔太朗】モンゴルの首都ウランバートルで、ロブサンナムスライ・オユーンエルデネ首相の退陣を求めるデモが続いている。首相の息子による豪勢な生活ぶりが明らかになり、抗議デモに発展した。
モンゴルのニュースサイト「gogo」など地元メディアは今月、首相の20歳代の息子の高級リゾート宿泊や、息子がヘリコプターを使って交際相手にプロポーズしたことなどについて報じた。浪費の原資が不透明だとして、ウランバートルでのデモは14日以降、連日のように行われている。
別のモンゴルメディアは、汚職捜査を行う当局が、海外留学先から帰国した息子に事情を聞いているとも報じた。モンゴルでは過去にも汚職が問題化し、政権は「反汚職」を掲げてきたが、首相の息子に疑惑の目が向けられている。
首相が率いる人民党は、国民大会議(国会)で過半数をわずかに上回る議席のため、民主党、人間党と連立を組んでいる。AP通信によると、民主党の一部議員が首相に辞任を要求し、人民党が連立から民主党を排除することを決めた。連立政権が崩壊するとの見方も浮上しており、政局が混乱している。