iPhoneのメモリ容量は何に影響するの? - いまさら聞けないiPhoneのなぜ
2025年2月22日(土)11時15分 マイナビニュース
「メモリ」という言葉の定義には曖昧な部分があり、iPhoneに関していえば「ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory、RAM)」と「フラッシュメモリ(内蔵ストレージ)」の2種類が存在します。
RAMとは、データを繰り返し読み書きできるが永続的に保存されない(電源を切れば失われる)記憶領域です。フラッシュメモリと比較した読み書き速度は圧倒的で、高速性が要求されるアプリの作業領域/一時記憶領域として適しています。ただしフラッシュメモリと比較して高価なため、iPhoneに搭載される容量は限られます。
RAMの容量が機能の動作可否を決めることもあります。その例がAI機能の「Apple Intelligene」で、複雑な計算を高速処理するために8GB以上のRAMが必要とされています。実際、Apple IntelligenceがサポートされるiPhoneは、iPhone 15 Pro/15 Pro Max(RAM容量8GB)以降で、同時期発売のiPhone 15/15 Plus(RAM容量6GB)には対応しません。
Appleは各モデルのRAM容量を公式発表しておらず、iOSに標準装備の機能で調べることもできませんが、サードパーティー製アプリで調べることは可能です。
一方のフラッシュメモリは、データを繰り返し読み書きできるうえに、電源が切れても消えることがありません。RAMと比較して安価なため、iPhoneにも128GB、256GBといった大容量フラッシュメモリが搭載されています。「設定」→「一般」→「iPhoneストレージ」画面で確認すればわかるとおり、iPhoneではアプリや写真/ビデオの保存領域として活用されています。
つまり、RAMの容量はApple Intelligenceなど一部機能の動作可否に、フラッシュメモリの容量はアプリや写真/ビデオの保存可能点数に影響します。iPhoneはRAM/フラッシュメモリとも増設できないため、端末購入時点で容量を吟味しましょう。
海上忍 うなかみしのぶ IT/AVコラムニスト。UNIX系OSやスマートフォンに関する連載・著作多数。テクニカルな記事を手がける一方、エントリ層向けの柔らかいコラムも好み執筆する。マイナビニュースでは、「いまさら聞けないiPhoneのなぜ」のほか、前世紀から続く「(新)OS Xハッキング!」などを連載中。執筆以外では、オーディオ特化型Raspberry Pi向けLinuxディストリビューションの開発に情熱を注いでいる。2012年よりAV機器アワード「VGP」審査員。 この著者の記事一覧はこちら