子どものスマホリスクとは?トラブル事例と保護者がすべき3つの対策ポイント
2020年6月1日(月)9時0分 しむぐらし by BIGLOBE
小・中学生でもスマホは当たり前となった今日ですが、スマホリスクに対して正しく対策を講じている保護者はどれくらいいるでしょうか。ここでは、スマホリスクと保護者が子どもを守るためにすべき対策ポイントをご紹介します。
子どものスマホトラブル事例
総務省が2017年に発表した「インターネットトラブルの現状と傾向」によると、高校生以下の子どもが行ったSNS・自撮り投稿による被害件数は年々増加傾向にあります。いつどこで自分の子どもが被害にあっても不思議ではない状況です。
そこでまず、スマホにはどのような危険が潜んでいるのかを知るために、事実をもとにした子どもとスマホのトラブル事例をご紹介します。
SNSで知り合った関係から
女子高生Aさんは、SNSで同じバンドのファンだという別の高校の女子高生Fと出会います。
ある日、Fから「ライブのチケットがあるけど一緒に行かない?」と誘われたAさん。当日、ライブ会場に行ってみると……そこにいたのは女子高生になりすました、まったく知らない男性でした。
男性に腕を掴まれたAさんは、無理やり車に乗せられそうになります。何とか逃げ切れたAさんでしたが、もしあのまま車に乗せられていたら、今頃、Aさんはどうなっていたのでしょうか。
ワンクリック詐欺やウイルス
中学生Bくんは、普段からスマホやパソコンでネット検索をするのが趣味です。
その日もいつものようにネット検索をしていると、あるサイトをクリックした途端にスマホがフリーズ状態に……。画面には「解除して欲しければ、指定の金額を振り込め」と指示が表示されたのです。
これは「ランサムウェア」と呼ばれる手口で、最近では子どももよく狙われます。支払う必要はありませんが、スマホを復旧するにはリセットする必要があり、スマホ内のデータはすべて失われます。
嫌がらせの投稿で補導寸前に
中学生Cくんは、ネット上の掲示板を見たり、書き込みをするのが大好きでした。
あの日、Cくんは学校で嫌なことがあり、ストレスから掲示板に「友人Gくんを殺害します」と心にもないことを投稿してしまいます。そして、投稿を読んだ誰かが通報し、警察がCくんのもとに……。
ネット上は匿名性が守られた空間ですが、調べようと思えば身元は簡単に割り出されます。ストレス発散くらいの軽い気持ちで行った投稿だとしても、内容によっては警察沙汰に、それこそ逮捕されるケースもあり得るのです。
保護者がすべき3つの対策ポイント
「スマホリスク」と聞くと、子どもが被害者になるケースをまず思い浮かべるでしょう。しかし、先ほどの事例にあったように、子どもが加害者になり誰かを傷つけてしまうケースもあるので要注意です。
スマホは本当に必要なものかを検討する
子どものスマホ普及率を調査すると、小学6年生ですでに47%、中学1年になると76%という結果でした(出典: NTTドコモ モバイル社会研究所ホームページ)。
「周りが持ってるなら」「仲間はずれにならないように」と持たせたくなる気持ちも分かります。
しかし、そのスマホは本当に必要なものなのでしょうか?「習い事で夜遅くなるから連絡手段に」のように目的があるならいいのですが、「何となく」「ねだられたから」で持たせてしまうのはスマホトラブルを起こす原因になりかねません。
子どもと利用ルールを話し合う
スマホを持たせるなら、何のルールもなく持たせるのではなくスマホトラブルについて共有し、リスク軽減につとめましょう。まずは、スマホを持たせてしまう前に、親子でスマホの利用目的・ルールをしっかり話し合いましょう。
- 利用時間は決められた時間だけ
- アプリのダウンロードは親の許可をとる
- 食事中や勉強中にスマホは触らない
- 歩きながらや自転車スマホはしない
- 面識のない相手と連絡先を交換しない
上記はあくまで一例で、家庭環境や子どもの性格に合わせたルール作りがポイント。また、一度決めたルールでずっと運用するのではなく、半年や1年、定期的に話し合いをして見直すのも重要です。
フィルタリングなどを活用する
どれだけルールを決めても、子どもですからうっかり危ないサイトを覗いたり、魔が差して約束を破ることも考えられます。
そのようなときに備えて、子どもを守れるようフィルタリングなどを利用するのも効果的な方法です。
フィルタリングとはネット検索時に有害サイトだけを除外する機能。キャリアごとに独自の機能を提供しているので、契約の際、子ども用に設定してもらうといいでしょう。
正しい対策でスマホトラブルから守ろう!
最近では、学校へのスマホの持ち込みも検討が開始され、大阪市など一部地域ではすでに「スマホOK」とする学校もあります。子どものスマホが当たり前になる時代もそう遠くはなさそうです。
だからこそ、保護者として子どもをスマホのリスクから守る必要があります。子どもにスマホを持たせる前には、ちょっと立ち止まってスマホリスクについて理解し、対策を講じるようにしましょう。