慈悲を求めた困窮生活の「嘘」 米検察が突いた水原被告の“偽りの可能性”「オオタニに払い戻す意思なんてなかった」
2025年2月1日(土)11時0分 ココカラネクスト

大谷と盟友関係にあった水原被告。その証言はふたたび波紋を呼んでいる。(C)Getty Images
水原一平被告が先日行った情状酌量を求める主張に真っ向から反論が飛んだ。
米連邦検察は現地時間1月30日に、ドジャース・大谷翔平の元専属通訳で、銀行詐欺罪などに問われている水原被告に対する法廷文書を提出。同被告が大谷に対して一切の返金する意志がなかったとする指摘を行った。
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申立書内で水原被告は、自身が「深刻なギャンブル依存症」によって合計4070万ドル(約63億円)の負債を抱え、大谷への支払いが困難な状況にあると告白。また、同選手のサポート対応に追われたエンゼルス時代は、「著しく低賃金」であったとも証言。高額な家賃支払いなどから生活状況が困窮していたとした。
しかし、米検察は証拠を列挙して「裏付けがない」と断罪。水原被告の主張に徹底的な反論を展開。大谷の給与口座から初めて4万ドル(約610万円)を不正送金した2021年9月時に同被告の銀行口座には3万4000ドル(約523万円)以上の残高があり、ブックメーカーへの借金返済が可能だったと指摘。また、スポーツブックメーカー『ドラフトキングス』や、違法胴元から受けとったギャンブルの勝ち分は自身の口座に収め、「オオタニに払戻す意思が見られなかった」と断じた。
また、同被告が「どこまで深刻なギャンブル依存症であったかどうか」にもクローズアップ。全米30以上のカジノを調査した検察側は「2008年の週末にミラージュ・カジノで200ドルを使った記録」が唯一の公的な証拠だったとした上で「長年にわたるギャンブル中毒ではなかった」と指摘する。
同被告は申立書内で「いつの間にか、ギャンブルの借金は膨れ上がり、翔平のお金を使う以外に返済する方法が見つからなかった」と主張したが、検察側はいずれも証拠は乏しいと断定。情状酌量に値しないのではないかと分析している。
次々と明るみになっていく水原被告の嘘。虚偽主張であると指摘する検察側は事態を重く見た上で、「彼は心からの反省を示すのではなく、オオタニから数百万ドルを盗んだ行為を正当化しようとしている」と減刑の余地なしと結論付けている。
困窮していた状況などが覆される証拠が提示され、立場がなくなっている感が否めない水原被告。量刑は現地時間2月6日に下される運びとなっているが、果たしていかなる判決が出るのか。野球界のスーパースターを巡る騒動の余波はしばらく落ち着きそうにない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]