トヨタの布陣にオジエが復帰。3年ぶりの開催となるWRCメキシコのエントリーリストが発表

　3月16日から19日にかけて、中米のメキシコで開催されるWRC世界ラリー選手権第3戦『ラリー・メキシコ』のエントリーリストが発表された。チャンピオンシップリーダーのオット・タナク（フォード・プーマ・ラリー1）を筆頭に、計10台のトップカテゴリーマシンが2020年以来、初めてラリー・メキシコに帰ってくる。

　22日付で公開された同イベントのエントリーリストには、WRCのトップカテゴリーに参戦する10台のラリー1マシンのほか、ラリー2以下の4クラス計22台が並び、都合32台がリストに名を連ねた。

　今回のラリー・メキシコでは、TOYOTA GAZOO Racing WRTで勝田貴元（トヨタGRヤリス・ラリー1）とワークスのシートを共有するセバスチャン・オジエ（トヨタGRヤリス・ラリー1）が、開幕戦モンテカルロ以来の復帰を果たす。シーズンオープニングのラリーで勝利を挙げた“8冠王者”は2020年のラリー・メキシコの覇者であり、今戦では3年後しの大会連覇に向けた走りに期待がかかる。

　一方、オジエが同チーム3人目のワークスドライバーとしてノミネートされるため、勝田は4台目のクルマでドライバー選手権のポイントを狙うことになる。

■ヒョンデの3台目はベテランのソルド

　前戦スウェーデンの優勝チーム、Mスポーツのフォード・プーマ・ラリー1を駆るドライバーのラインアップにはエースのタナク、若手フランス人ドライバーのピエール‐ルイ・ルーベに加え、ジェントルマンドライバーであるジョルダン・セルデリディスが加わった。

　3台のヒョンデi20 Nラリー1を走らせるヒョンデ・シェル・モビスWRTから参戦するのは、ティエリー・ヌービル、エサペッカ・ラッピ、ダニ・ソルドの3名だ。グラベル（未舗装路）ラリーを得意とする“仕事人”のソルドは、オジエやセルデリディスと同様に開幕戦モンテカルロ以来の参戦となる。

■ラリージャパン直後に船便でメキシコへ

　2023年はWRC2クラスに参戦するガス・グリーンスミスは、このメキシコ・ラウンドから今シーズンの戦いをスタートさせる。昨年末にMスポーツを離脱した彼は新型シュコダ・ファビアRSラリー2を駆り、元同僚でMスポーツ・フォードのフォード・フィエスタ・ラリー2で同クラスに出場するアドリアン・フルモーと対決することになる。

　また、スウェーデンで勝利を収め、現在WRC2クラスでランキングトップタイとなっているオリバー・ソルベルグも、新型のファビアRSラリー2で今戦にエントリーした。

　一方でニコライ・グリアジンとWRC2ディフェンディングチャンピオンのエミル・リンドホルムは、ともにトクスポーツWRTから参戦するが、こちらは旧仕様のシュコダ・ファビア・ラリー2エボでのエントリーとなっている。前年のマシンを使用する理由についてリンドホルムは次のように説明している。

「ロジスティクスの都合を考えたときの選択として、ファビア・ラリー2エボを使うことにしたんだマシンは日本から直接メキシコに運ばれ、パーツもすべて揃っている。これが一番簡単な方法だったんだよ」

　WRC2クラスではこの他にも、シュコダのカエタン・カエタノビッチや、フォードのマーティン・プロコップなどの有力ドライバーたちがエントリーリストに名を連ねている。

■2023年WRC世界ラリー選手権第3戦ラリー・メキシコ　エントリーリスト（RC1クラス／2月22日付）