昨季引退のベッテルは電撃F1復帰ならず 開幕戦に代役出場の可能性があったが

2023年2月28日(火)16時10分 ココカラネクスト

昨季限りでF1を引退したセバスチャン・ベッテル(アストンマーティン提供)

 昨シーズンでF1を引退した元4連覇王者、セバスチャン・ベッテル(ドイツ)の開幕戦での電撃復帰はならなかった。古巣アストンマーティンでレギュラードライバーを務めるランス・ストロール(カナダ)が2月20日に自転車トレーニング中に負傷し、同23〜25日にバーレーンで行われたプレシーズンテストを欠場。テストでは急きょリザーブドライバーのフェリペ・ドルゴビッチ(ブラジル)が新車のステアリングを握った。

 ストロールは両手首を骨折したとうわさされており、長期離脱する見通し。そこでいったんは引退を決めたベッテルを担ぎ出そうとチーム側もコンタクトを取ったもようだが、色よい返事をもらえなかったようで、3月5日決勝の開幕戦バーレーンGPについてはストロールの出場が難しい場合、ドルゴビッチを起用すると26日にアストンマーティンから発表があった。

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「バーレーンGPに関するドライバーラインアップの最新情報として、ストロールが競技に参加できない場合はフェリペ(ドルゴビッチ)がアロンソとともに(新車の)AMR23をドライブする」としている。

 ドルゴビッチは昨季のF2選手権王者で、F1レースに出場できるスーパーライセンスの発給要件を満たしており、プレシーズンテストでも初日と最終日の走行を担当。3日間のトータルで12番手のタイムを刻むなど、代役として開幕戦に送り出しても問題なしと判断されたようだ。出場が正式に決まれば、ブラジル人ドライバーのF1出場は2020年に2戦にスポット参戦したピエトロ・フィッティパルディ以来、3年ぶりとなる。

 第2戦以降もストロールは欠場すると見られる。その場合は、もう1人のリザーブドライバーで元マクラーレンのストフェル・バンドーンが起用される可能性もあるが、チーム側はベッテルについても諦めていないもよう。

 仮に今季に1戦でも出場すれば、17年連続F1参戦となる。これはF1最長記録を持つルーベンス・バリチェロの19年連続、ジェンソン・バトンの18年連続に次ぐ記録になる。F1出走数も現在299戦のため、史上7人目の出走300戦の大台に乗る。

 F1ドライバーが引退発表を覆す事例はある。例えば、2016年に引退を宣言した当時ウィリアムズのフェリペ・マッサは、翌17年もF1を続投した。16年にチャンピオンになったニコ・ロズベルグがオフに電撃引退した影響で、駆り出されたといわれている。

 ベッテルは昨年の日本GPの公式会見に出席した際に再参戦の可能性について「もし誰かが、1レースのために契約を喜んで結んでくれたらね!」とまんざらでもない様子だった。ストロールが復帰する場合は4月30日決勝の第4戦アゼルバイジャンGP以降と見られており、アストンマーティンが第2、3戦にどのドライバーを代役に起用していくかが注目を集めている。

[文/中日スポーツ・鶴田真也]

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