なでしこジャパン、パリ五輪出場決定! 高橋はな&藤野あおばのゴールで北朝鮮との激闘を制す

2024年2月28日(水)20時26分 サッカーキング

先制点を決めた高橋はな(中央) [写真]=金田慎平

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 パリオリンピック2024女子サッカーアジア最終予選・第2戦が28日に行われ、なでしこジャパン(日本女子代表)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)女子代表が対戦した。

 なでしこジャパンと北朝鮮女子代表の過去の対戦成績は12勝5分7敗。勝ち越してこそいるものの、直近の対戦である2018年8月に開催された第18回アジア競技大会では1−2で敗れていた。現在、最新のFIFAランキングでもなでしこジャパンが8位、北朝鮮女子代表が9位につけており、実力は互角と言える。

 当初、今回の最終予選は北朝鮮とのホームアンドアウェイ方式で開催される予定だったものの、二転三転の上で試合3日前に中立地のサウジアラビア・ジッダ開催が決定した。24日に『プリンス・アブドゥッラー・アル・ファイサル・スタジアム』で開催された第1戦は、守備を固めた北朝鮮女子代表をなでしこジャパンが崩し切ることができず、スコアレスドローでタイムアップ。第2戦は、勝ったチームがパリオリンピック2024本大会の出場権を獲得するという条件の中で開催される。

 運命の第2戦に向けて、なでしこジャパンを率いる池田太監督は第1戦からスターティングメンバーを2名変更。左サイドバックに入っていた古賀塔子に代わって北川ひかる、左ウイングに入っていた植木理子に代わって上野真実を起用した。加えて、キャプテンの熊谷紗希を筆頭に、長谷川唯、長野風花、田中美南らは“連戦”を戦う。

 東京の『国立競技場』でキックオフを迎えた一戦は、第1戦と同様に北朝鮮女子代表が5バックのブロックを敷き、なでしこジャパンの攻撃を迎え撃つ形に。立ち上がりからなでしこジャパンは攻め手が見つからなかったが、アンカーポジションと予想された熊谷紗希が最終ラインに落ちつつ、両サイドバックの清水梨紗、北川が高い位置を取ることで、最終ラインの選手間にスペースを作り出し、徐々にシュートまで迫るシーンも作っていく。

 最前線で田中が起点となり、ボールを引き出す場面が目立っていくが、相手の厳しいチェックもあってなかなか自由を与えてもらえない。24分にはピッチ中央で前を向いた長谷川が斜めへ預けると、上野がダイレクトで捌くも、ボールを収めようとした田中はファウルで潰される。

 だが、ここで得たフリーキックを北川が左足で蹴り込むと、1度はボックス内で跳ね返されたものの、ボックス左へ向かったクリアボールに上野が反応。頭で折り返すと、ニアサイドで待っていた田中がうまく首を捻ってヘディングシュートを狙う。ここはクロスバーに嫌われたが、セカンドボールに高橋はなが詰める。ダイレクトで押し込み、なでしこジャパンが遂に北朝鮮の堅守をこじ開けた。

 前半も半ばを過ぎると、北朝鮮女子代表もコンパクトな陣形を保ちながら徐々に前に出てくる場面も増えるが、熊谷が中央に構えるなでしこジャパン守備陣が隙を見せることはない。反対に藤野あおば、北川などが積極的にシュートを狙う場面も見られ、なでしこジャパンも追加点の匂いを漂わせる。

 しかし、前半終了間際の44分、なでしこジャパンはこの日最大のピンチを迎える。自陣左サイドでのスローインからうまくボールを繋がれると、ボックス左でリ・ハクにボールを収められ、中央への折り返しをチェ・クムオクに合わせられる。軸裏で狙った技ありの一撃は、GK山下杏也加がなんとか掻き出し、難を逃れる。前半の45分間はこのままなでしこジャパンの1点リードで終了した。

 後半に入っても左サイドの北川が積極的な攻撃参加を見せるなど、なでしこジャパンは果敢に追加点を狙いにいく。最前線では田中が起点となりながら、2列目から上野や藤野が飛び出す形も見せる。63分には池田監督が動き、上野を下げて清家貴子をピッチへ送り出した。

 すると直後の65分にはその清家に決定機が到来。ボックス右のスペースへ侵入した田中の折り返しはブロックされたものの、セカンドボールを回収した清水梨紗が右足で低弾道のクロスボールを蹴り込む。相手GKの前に入った清家がこのクロスに反応したが、うまくジャストミートできず、加えてファウルと判定された。

 一進一退の攻防が続きながら時計の針は進んでいったが、76分になでしこジャパンが再びスコアを動かす。敵陣ボックス手前右寄りの位置でルーズボールを拾った藤野がマイナスへ落とすと、長野がダイレクトでスルーパスを送る。右サイドを駆け上がってきた清水が粘りを見せてボールを残し、浮き球のボールを送ると、中央へ走っていた藤野がヘディングシュート。若きアタッカーが待望の追加点をもぎ取った。

 なでしこジャパンが追加点を挙げ、五輪出場を大きく手繰り寄せたかと思われたが、北朝鮮女子代表もこのままでは終わらない。リ・ハクからのスルーパス1本で背後を破られると、GK山下が飛び出した位置を見てキム・ヒェヨンにループシュートを決められてしまう。北朝鮮女子代表も決して諦めず、試合は手に汗握る展開で終盤に突入する。

 後半アディショナルタイムに入ると、なでしこジャパンはマイボールの時間を作りながら時計の針を進め、試合はこのままタイムアップ。2戦合計180分間の戦いを2−1で制したなでしこジャパンが、2大会連続6度目のオリンピック出場を決めた。

 この後、なでしこジャパンは4月に海外遠征が予定されており、その後アメリカにて開催される2024 SheBelieves Cupに臨む。なお、パリ五輪の女子サッカーには12カ国が参加。7月25日に開幕し、決勝戦は8月10日に行われる。

【スコア】
なでしこジャパン 2−1(2戦合計:2−1) 北朝鮮女子代表

【得点者】
1−0 26分 高橋はな(なでしこジャパン)
2−0 76分 藤野あおば(なでしこジャパン)
2−1 81分 キム・ヒェヨン(北朝鮮女子代表)

【スターティングメンバー】
なでしこジャパン(3−4−2−1)
GK:山下杏也加
DF:高橋はな、熊谷紗希、南萌華
MF:清水梨紗、長谷川唯、長野風花、北川ひかる(89分 古賀塔子)
FW:藤野あおば、上野真実(63分 清家貴子);田中美南(89分 植木理子)


【ハイライト動画】なでしこ、北朝鮮を破りパリ五輪行きの切符を掴み取る!

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