巨人移籍後初安打…甲斐拓也がオープン戦8打席目で快音、開幕ローテ入り決定的の右腕も好リード「また頑張ります」
2025年3月8日(土)5時35分 スポーツ報知
2回無死一塁、先発の山下から左前安打を放つ甲斐(カメラ・上村 尚平)
◆オープン戦 オリックス1ー5巨人(7日・京セラD)
ソフトバンクから国内FA権を行使し移籍した甲斐拓也捕手(32)が、2回にオープン戦初安打。試合は5—1で巨人が勝った。
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甲斐が待望の快音を響かせた。「7番・捕手」で先発出場し、2回無死一塁の第1打席だ。オリックス・山下が投げ下ろした内角低めの直球に反応。体を回転させながら腕をたたみ、左前へ運んだ。オープン戦5試合目、計8打席目で初安打。巨人加入後、初のHランプをともした。塁上では表情を変えなかったが「良かったです。はい」と試合後に少しだけ頬を緩めた。
パを知り尽くした男の一打だ。オリックス・山下は5年目で巨人戦初登板。甲斐は昨季、山下に対して8打数2安打と、この日スタメンに名を連ねた9人で唯一、対戦経験があった。甲斐のチーム初安打が、2点先制の呼び水となった。
リードもさえた。開幕ローテ入りが決定的な山崎と実戦で初のバッテリー。「今、この時期にできることがたくさんある」と2回は90キロ台のスローカーブを2球連続で要求するなど、約50キロの緩急を生かして投球を組み立てた。巧みなインサイドワークで4回無失点の快投に導いた一方で「伊織が本当にいい投球をしたんじゃないですか」と右腕を立てた。
春季キャンプから阿部監督に計3度の直接指導を受け、バット軌道をアッパー気味から水平に近づける打撃改造に取り組んでいる。その中で出た一本には価値がある。大城卓、岸田ら捕手陣の層は12球団トップクラスだ。「また頑張ります」。競争を勝ち抜くためにも、急ピッチで調整していく。(内田 拓希)